[2010年1月14日]
生徒・保護者向け
カトリビアの泉
◇植物も記憶する
植物に脳があるか、心があるかということがたまに話題になります。例えば植物にも感情がある、という人もいます。何でもバラの花を育てたときに、毎朝、頭(先端)をなででやった株は特によく成長するとか。でもこれは触られるという外部からのストレスに対する植物の反応であり、あまり科学的根拠はありません。では、記憶はどうでしょう。植物には、動物のような脳がないことは確かです。しかし、花をなでるという話にも見られるように、植物も外界の変化を刺激として受容し、それに反応するという機能を持っています。じゃあ記憶できるのか、ということになると、いろんなところで研究は進められいますが、実はまだよく分かっていません。
しかし、記憶のようなことをする例は今までに幾つも見つかっています。例えばハエジゴクという植物には、虫を捕るための捕虫葉と呼ばれる葉があります。捕虫葉には一枚あたり六本の感覚毛がついています。この感覚毛に虫がさわると活動電位が発生し、それが情報となって捕虫葉が閉じて虫を捕らえます。
ところが、一回だけ虫が感覚毛を触ったのでは捕虫葉は閉じません。虫がもう一度感覚毛に触ると、初めて閉じます。二回目の刺激によって、虫が逃げていないことを確認してから閉じるのでしょうか。まだ詳しいことはよく分かっていません。しかし、必ず二回目に閉じるということは、一回目に触られたということを記憶しているとしか思えません。
植物の世界は、動物よりもまだよく分かっていないことが多いのです。
◇フグの毒は何?
冬の贅沢といえば、フグ料理です。フグを料理するには免許が必要になります。言うまでもなく、フグは猛毒を持つからです。
フグの体内において最も毒性が高いのは肝臓です。食通の人は肝臓を好んで食べるそうですが、危険この上ありません。
フグを好んで食べる日本では、フグの毒に関する研究が活発に行われました。その結果、フグの毒はテトロドトキシンという化合物であることが分かりました。テトロドトキシンの毒性は、なんと青酸カリの1000倍以上です。
テトロドトキシンはナトリウムチャンネルの活動を妨げます。ナトリウムチャンネルとは神経が活動電位を発生するためのイオンチャンネルで、フグにあたるとしびれるのはこのためです。
◇ニュートンは小さいころ
アイザック・ニュートンは言うまでもなく、史上最高の数学者であり、科学者の一人です。そのニュートンが実は、小学生の時、数学が不得意で、苦手でした。同じクラスに数学のよくできる子がいて、いつもいじめられていたそうです。あるとき、ニュートンが、その子に胃を強く蹴られて怪我をするという事件が起きました。そこからニュートンは発憤して数学の勉強を始め、やがてクラス一の成績を取るようになったということです。
◇賞味期限と消費期限
賞味期限や消費期限が切れた食品はどうしてますか?問答無用で処分?少しくらい過ぎても食べる?もったいなかったり、危険だったりしますので、賞味期限と消費期限の言葉について、知っていた方がいいですよね。さらに、以前は品質保持期限なんてありましたね。
賞味期限と消費期限のいきさつ
「食品衛生法」と、「JAS法」に基づいて、すべての加工食品に期限表示の記載が義務付けされています。2003年から、賞味期限と消費期限のどちらかを表示するように統一されました。それまでの品質保持期限という表示は賞味期限に統一されました。
賞味期限と消費期限の違い
賞味期限は、卵、牛乳、レトルト食品、缶詰など、比較的傷みにくいものに表示されます。「品質が十分に保持できる期限」ということです。
消費期限は生肉や刺身、惣菜や弁当など、傷みやすいものに表示されます。だいたい5日くらいよりも前に、急速に品質が劣化するため、「鮮度が保たれる期限」を表示しています。
要するに賞味期限は「おいしく食べられる期限」。多少過ぎてもすぐにダメになるわけではありません。消費期限は「安全に食べられる期限」。過ぎれば衛生上問題があるので、食べないほうがいいと思われます。
賞味期限と消費期限の注意点
賞味期限と消費期限は、どちらも容器や包装を開封する前の期限です。さらに保存状態も関係しますので、注意が必要ですね。容器に記載されている保存法で未開封の場合の期限ということですので、開けてあったり保存法が悪かったりすると、期限前でも傷む可能性があります。ちなみに卵は賞味期限表示ですが、これは生で食べられる期限です。期限を過ぎたら、加熱した方がいいでしょう。
アイスクリームの期限表示
ところで、皆さんはアイスクリームの期限表示を見たことがありますか。私は見たことがありません。というか、実はアイスクリームの賞味期限は「ない」のだそうです。
食品衛生法の中の、「乳等省令」によると、通常、マイナス18℃以下で保存されているものは、品質の変化が極めて少ないため、「賞味期限の記載を省略してよい」ということになっているのです。つまり、アイスクリームの賞味期限は無期限ということだそうです。えーっ!? 皆さんは知ってました?