[2014年3月2日]
入試ひと月前・1週間前[入試本番までの過ごし方
○ひと月前からの過ごし方
「早寝、早起き、朝ごはん」こそ、合格への基礎力
受験生だからといって、昔のように夜遅くまで勉強する人は少なくなっていると思います。勉強時間をトータルで計ってみると、週に何度か徹夜した時よりも、毎日コンスタントに数時間勉強したほうが多くなります。
ですから、就寝時間、起床時間、食事時間、風呂等の時間をきちんと守り、毎日一定のリズムで勉強するようにしてください。保護者のかたには、食事、風呂等の時間を一定にし、お子さまが規則的に勉強できる環境を整えていただきたいのです。
勉強というと、夕食後の20時、21時くらいから始めるという人が多いと思いますが、本番がすぐそこに迫っているのですから、ちょっとした時間も有効に活用しましょう。つまり、朝食前、夕食前にも必ず机に向かうようにするのです。長時間とれなくても、計算ドリル、漢字練習、英単語・連語を10分ずつやるだけでも頭の回転がよくなり、本番でつまらないミスをしなくなります。
制限時間を設けての勉強が基本
ひと月前まできたら、夕食後の勉強は本番を意識しながらやりましょう。普段の勉強と入試とのいちばんの違いは、入試には「制限時間」があること。試験時間が50分の学校の問題を解くのに60分かかっていてはダメなのです。普段の勉強は時間を意識しないでやってきたかもしれませんが、この時期からやって欲しいことは、問題量と制限時間の感覚を身に付けることです。50分の学校の問題を45分で解く、60分の学校の問題を50分で解く練習をし、どのくらいのスピードで長文を読めばいいのか、1問あたりどのくらい時間をかけられるのか、感覚で身につけることが大切です。
「時間切れで手をつけなかった問題が残った」では泣くに泣けません。そんなことがないように制限時間を意識した勉強を心がけてください。
私立高校入試も強い意志を持って受験する
公立高校を第一志望として、私立高校は「押さえ」というケースも多いと思います。ただ、本人も保護者のかたもそうした意識で受験すると、これが案外盲点になります。「押さえ」ということで、どうしても準備、対策を公立高校ほど熱心には取り組まないからです。
公立高校の「過去問」を何年分もやっていながら、私立高校の「過去問」は一度もやらずに受験する生徒がいます。いくら安全校といわれていても、これは危険です。
また合格者の人数が多いから案外易しいのではと、高い偏差値の学校にチャレンジ受験するケースも多いのですが、上位校は広域から高学力の生徒が大勢受験します。ですから、合格者が多いからといって決して易しいわけではありません。
要するに、私立高校を受験する時も、「必ず合格する」「万が一の場合は通うつもりがある」といった強い意志を持って受けないと危険だということです。
○1週間前からの過ごし方
極力普段どおりに
入試本番1週間前にもなると、だんだん緊張が高まってくると思いますが、この時期は極力普通に過ごすことが大事です。気分転換が必要といって、映画を見に行ったりする人がママいますが、特別なことをすると余計にプレッシャーがかかるものです。普段と違う特別なことはしない、これがこの時期の過ごし方のポイントです。
またこの時期は風邪をひくことが怖いですから、家中で必要のない外出は避けるようにしてください。手洗い、うがいなど、家族全員がそろって協力することも大切です。
別のルートの確認
試験当日、予定していた交通機関が止まるようなことがあるかもしれません。そうした万が一の状況に備えて、インターネットなどで別のルートでの行き方を調べておきましょう。できればそのルートで1回受験校まで実際に行ってみるといいです。
電車やバスなどのICカードをお持ちならチャージもしておきましょう。当日残高不足が出て切符を買ったりしていると、想定外の時間をとられるので、余計な焦りが生じてしまいます。
新しいテキストに手を付けるより答案の見直しを
この時期書店に行くと、「直前1週間の総まとめ」「ズバリここが出る!」といった魅力的なタイトルの薄いテキストが並んでいます。自分のやってきた勉強が不安だったりすると、こうしたものについ手を出したくなります。
ですが、今から新しいものに取り組んでも身に付くものではありません。それよりもこれまで受けてきた模試の答案、出来が悪かった添削の見直しをしましょう。自分の答案がどこで減点されているのか、間違えたものは理解できていないのか、設問の読解に問題があったのか、単なるミスなのか……。そうしたことを確認して、各科5点ずつでも上乗せできるよう答案作成の研究をするのです。
合格発表のあとは
地域によっては入試が始まっていて、読者のかたの中にはすでに合格・不合格の通知を受け取ったご家庭もあるでしょう。
合格していた場合はひと安心ですが、志望順位が高い学校がこれから控えているならば、この合格を利用して「すごいじゃない! この調子で○○高校も突破だね」とお子さまの気持ちをどんどん乗せていきましょう。15歳くらいだと、その時の気分で思わぬ力を発揮するものです。
問題は不合格だった時。保護者のかたもショックが大きいことと思いますが、決して本人の前では落胆、動揺を言葉・表情に出さないでください。保護者のかたが不安になると、お子さまにもすぐ伝染します。
不合格だった時、お子さまを慰めるかたがいますが、慰めることはやめてください。かえってお子さまの気持ちは沈んでしまいます。慰めの言葉も不要です。
大切なことは、本人はもちろん保護者のかた自身も次の試験に向けて気持ちを前に向かわせることです。