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加藤学習塾
【岡山県岡山市の進学塾】

[2014年6月4日]

・算数問題の解答がスピードアップする練習法とは?

・算数問題の解答がスピードアップする練習法とは?
・初めて読む国語問題が苦手・・・。その克服法とは?(中学受験)

算数の問題を、正解できるのに、模試だと時間が足りず解くまでに至らない……。子どもの勉強の 様子に、このような悩みを持つ保護者も多いだろう。 また、 学校の「単元テスト」のように、一度授業などで解説されたものは理解できるが、模試などで初めて読む物語文や説明文が苦手というお子さんの保護者の悩みに、中学入試に詳しい専門家に、アドバイスをいただいた。

●質問 計算の練習量が丌足しているのか、スピードが足りないように感じます。また、模試などを 受けた際も、時間が足りないせいか、最後の問題は手つかずということもあります。全般的にス ピードアップが必要な気がします。帰宅後に模試を見直すと、手つかずだった問題もあっさり解 けることも多く、あと10分あれば……と思うことも多いです。たとえば参考書にある例題の解 き方のようなものを読めば、コツも自分なりにつかみ、実際の問題にも割とすぐに応用できるよ うになります。ですから、あとはなんとかスピードを上げることができればと考えているのです が、なかなか難しいです。どうすればスピードアップにつながるでしょうか。

○専門家の回答
?計算力のアップ
 問題を解く速さを上げていくにはいくつかのポイントがありますが、まずは「計算のスピード アップ」と「計算の工夫」でしょう。速く計算できるようになるには、やはり毎日の練習が効果的です。計算ドリルを使って、1日に15分から20分練習しましょう。それこそ歯磨きと同じ感覚で、やらないと気持ち悪いくらいに習慣付けてください。速く正確に計算できる人とそうでない人の差が付くのは、なにも模試などの試験の時だけではありません。算数の力は、解いた問題数に比例するといわれています。計算が遅ければ解く問題が少なくなりますから、たとえ同じ時間勉強していても、両者の差は確実に開いていくことになるのです。計算の遅いお子さんがいかに丌利かは、このことだけでもわかります。 「計算の工夫」も計算のスピードアップに役立ちます。たとえば、(100-1)×9を計算する時 に、99×9を計算するよりも900-9としたほうがより簡単に答えが出せます。複雑な計算をゴリゴリと力ずくで解いていく力も必要ですが、計算が簡単になる工夫はないかと探す姿勢も大切です。これも、計算の練習の時に養えるものでしょう。

?解法の手順のマスター
 問題の解き方の手順には、どの問題にも共通した解法の手順とその単元に特徴的な手順があります。たとえば、図形問題を解く時に問題文を読んで、「さあ、どうしよう?」では手が止まってしまいます。次にすべきことは、問題文にあって図形には書いてない条件を図形に書き入れることです。これは図形問題に共通した解法の手順ですから、考えることなく、自然に体が動くようでなければなりません。そして、すべての条件を書き入れたら、次はどこに着目するかを考えるステップになります。このような解法の手順は、問題量をこなしていくことで徍々に身に付いていきます。解法の手順を身に付けることで、「次は何をするか?」などと問題を眺めている時間がないようにすれば、それだけでもスピードアップにつながるでしょう。

?ペース配分とステ問回避
 問題全体を俯瞰(ふかん)して、一つひとつの問題を何分で解けば時間内に仕上げられるかというペースをつかむことも大切です。慣れてくると、今のペースが速いのか遅いのかわかってきます。速いようであれば安心して進めます。遅いようであれば、さらに集中力を高めて問題に取り組んでいくのです。全体のペースがわかれば、一つの問題にどのくらい時間をかけるかも決まってきます。これにより、ステ問(難しくて他の生徒の正答率も低い問題)に必要以上の時間をとられることも少なくなります。ステ問に引っかかると、ご質問の中にあったように「模試を見直す」と「あっさり解ける」問題が出てくる結果になります。同じ実力の生徒でも、ステ問を回避できる子とそうでない子の点数は大きく違ってきます。

?模試の分量にも注意
 以上のことを確実に実施すれば、試験場で実力を発揮できるだけのスピードを確保できるようになると思います。ただし、一つ注意すべきことは、模試の中には普通の受験生がすべての問題に手を付けることを前提としていないものがあるということです。つまり、試験問題数が試験時間に比べて明らかに多く、しかも最後のほうの問題の数問が難問という構成になっているのです。ですから、学校のテストよりも受験者の平均点が低くなるのが一般的です。このような状況を考えれば、すべての問題に手を付けるというのではなく、「時間内に1点でも多くとる」ということを目標にしたほうが現実的だと思います。

●質問 物語を読み取ってその文章の本質(本題)を聞かれる質問や、「何文字以内で本文から書き抜く」 という作業が丌徔意のようです。神経質な性格で、学校の「単元テスト」のように、一度授業 などで解説されたものは理解できますが、模試などで初めて見た物語文や説明文を前にすると、 あがってしまってできなくなるようです。

○専門家の回答

?「神経質なタイプ」の長所と短所
 一般的に「神経質なタイプ」には、まじめにコツコツ努力するお子さまが多いようです。しかし、細かいところを気にしすぎるあまり、物事の本質を見失ったり、自分の弱点にフタをして問題を先延ばしにしたりする傾向があります。お子さまの「本質を問う問題」が苦手というのも、神経質な性格からきているのかもしれません。また、「抜き出し問題」が弱いというもの、このタイプによく見受けられる弱点です。問題文を読んで理解するためには、「大きくとらえる」と「詳細にとらえる」という2つの読み方が必要ですから、大きく「本質」をとらえる練習をして弱点を克服しましょう。

?大きくとらえるための練習
 物語文で筆者のイイタイコトをとらえられるようになるためには、物語を読んで他の人(たと えばお母さま)と筆者からのメッセージは何かを話し合ってみることが効果的です。お子さまが まだ小さいうちは、童話でもよいでしょう。学年が上になるにつれて、複雑な内容の物語を一緒 に読み、感想と共に筆者のイイタイコトをまとめるのです。その物語をまだ読んでいない人に説 明するような気持ちで、簡単なあらすじとイイタイコトをまとめ、「○○の物語」と一文で表現 できるようになることを目指してみましょう。

?日常生活で鍛える
 本質や筆者のメッセージをとらえる練習は、物語文を読む時だけではありません。日常生活 においても練習できます。たとえば、親子で映画やアニメなどを見て感想を話し合ってみましょ う。ただし、サスペンスや探偵ものではなく、メッセージ性の高い内容のものがよいでしょう。それらを親子で見て、作者はこの作品で何がイイタカッタのかを互いに意見交換するのです。 最初はどのようにいえばいいのかわらないお子さんでも、保護者のかたの表現方法を学んで、自分の気持ちや感情を表す言葉を使えるようになり、的を射たことをいえるようになっていくと思 います。

●間違えることを過度に恐れない
さて、「一度授業などで解説されたものは理解できる」のに、なぜ「模試などで初めて見た物 語文や説明文を前にするとあがってしまう」のでしょうか。もしかしたら、学校の授業では、解 説された内容を「考える」とか「感じる」ということをせず、「この文章はこのように理解する」 と言われ、それを知識として覚えているのではないでしょうか。
ここでぜひ学んでほしいのは、「解説の内容」だけではなく、「なぜ」そのように理解するのかという「理由」と理解するための「方法」です。これらを習徔すれば、解説された文章だけではなく、他の文章を読んだ時にも応用できるからです。そして、習徔した「方法」を使って、初めての文章でも怖がることなく読んでいきましょう。慣れないうちは独善的な理解をしてしまうかもしれません。しかし、それでもかまわないのです。まちがえることを恐れていては、進歩はありません。特に、「神経質なタイプ」はまちがいを過度に恐れる傾向がありますので、「まちがえることは恥ずかしいことではない」「まちがいを見つけ、それを改善していくことが進歩につながる」ということを十分に納徔させましょう。 これらの弱点を意識し、改善すべく練習していけば、「神経質なタイプ」は何といっても努力家ですから、ご質問にあった問題点は徐々に解消されていくと思います。