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啓新セミナー

[2016年9月9日]

『手』を使う

ようやく過ごしやすくなってきましたね。今日は五節句の一つの『重陽の節句』ですね。現代では他の節句と比べると影が薄い感じがしますが、五節句の最後ということで昔は最も盛んな行事だったようです。菊の節句なので、今晩は「かきのもと」でも食べようかと思いましたが、まだまだちょっとお高い・・・(-_-;)。ということで、菊に似た色の食べ物にして気分だけでも味わおうかと、カボチャの煮つけにしました(^_^;)。

朝晩は随分過ごしやすいですが、日中はまだまだ日差しが強いですね。各中学校では運動会の季節ということで、中学生はどの子も日焼け顔です。来週以降に定期テストが行われる学校もあるので少しお疲れな様子の子どもたちですが、テストでしっかり結果が残せるよう指導していきたいと思います。


9月に入り、小学6年生は「ならべ方と組み合わせ方」の学習に入りました。一つ一つの問題に対して、きちんと樹形図を書くように指導しているのですが、この図をきちんとかける子は少ないです。
ところが!!昨日の授業で、いつも「めんどくさい!!」を連発する子が、とても丁寧に樹形図や表を書き、何と昨日の1コマだけで1単元を全て終わらせてしまいました!!授業後、「全部終わった〜!!」ととても満足気に帰っていきました。

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正直なところ、授業前はその子が面倒がるだろうと思い、「今日はバトルだな!!」と思っていたのですが、バトルなんて全く。最初の問題のときに図を書くことを言ったら、少ししかめっ面をしていたのですが、言われた通りに図をきちんと書いていくと、どんどん解ける上に○ばかり。本人も気をよくし、どんどん調子が上がり、最後の問題まで解き終わりました。途中で間違えることもあったのですが、きちんと図・表が書けているため、どこで間違えたのかがすぐにわかり、解き直しもスムーズにいきました。

「ならべ方と組み合わせ方」の学習は中学の「確率」の土台となりますが、小学校でこうした図・表を書く習慣がついている生徒はスムーズに学習することができます。この単元だけでなく、中学で学習する文字式、方程式などや理科の濃度なども小学校で問題文を図式化するトレーニングをしている子とそうでない子では出来具合が違います。また、図、表を書く、途中式を書くといったことがきちんとできる子は、たとえ間違えてもどこで間違えたのかに自分自身で気づくことができますし、私たちも指導の際、その子がどのような思考経路で問題を解いたかがわかるため、間違いを指導することがスムーズにできるだけでなく、その子の思考パターンに合わせて先手を打った指導ができます。

きちんと書けない子になると、当然バツ直しのとき、ゼロから解き直しをしていかなければならないため、一層の「めんどくささ」を感じ、嫌になってしまいます。

今回の定期テストで文字式や連立方程式などが範囲となっています。小学校時の学習のクセが『負の遺産』として残っている子は問題文を見てじっと固まっているだけとなります。

逆に良い習慣がついている子は間違えてもずっと手が動き、自力で正解までたどり着くことができます。この『自力でたどり着く』という経験値が学習ではとても大切です。わからない問題などに出会ったとき、図・表を書く、辞書や教科書で調べるなど『手』を使った学習ができる子は伸びしろ多いことを感じます。

私たちは塾講師ですからわからない・できない問題を教えるのは当然ですし、その指導スキルが問われるもの当然です。ですから、子どもたちがどこでつまずいているのか? ステップアップするためには何をどう指導するべきか?と日々工夫を重ねる努力をしていますが、塾に来て学力を伸ばすためには、学ぶ側の子どもたちが自分自身の『手を使う』という意識も必要だと思います。

自分たちの指導スキル向上だけでなく、子どもたちの学力と意識を向上させられるよう取り組んでいきたいと思います。