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啓新セミナー

[2016年10月14日]

分速450メートルの徒歩

今週に入り朝晩がぐっと寒くなってきましたね。日中はポカポカ陽気ですが、夕方になるとすっと涼しくというより寒く感じますね。今日は息子の幼稚園で「芋ほり遠足」。朝からお弁当作りでバタバタしました。お天気に恵まれ、「おっきい芋掘るぞ〜!!」とご機嫌で出かけていきました。さてさて結果はどうなるかしら・・・??です。


さて、10月も中旬、中学生は先日、前期期末テストが終わったばかりですが、次の定期テストまで約1ヶ月となりました。テストに向け、通常の英数に加え理社国も宿題となり、ため息とともに授業が始まる・・・そんな授業風景です。今月末からはテスト対策の特別授業を予定しています。一つ一つのテストを通して着実にステップアップできるよう、授業を行っていきたいと思います。


昨日の小学生の授業で算数の宿題ワーク直しをしている時のこと。
小学6年生は『速さ』の単元が終わり『立体の体積』に入りました。復習のため、『速さ』のページが宿題でした。

解き直して出てきた答えが、分速450メートル!!車や電車の話ではありません。学校まで歩いていくときの速さを求める問題です。分速450メートルということは、時速27キロメートル。人の足では到底出せるスピードではありません。ですが、そんな答えを出したその生徒を私は「えらい!」と思いました。

自分なりに考えて出した答えです。取りあえず答えを出した時点で、「できた!!」という子が多くいますが、その子は、そこで自分の出した答えを見てじっと考え込んでいました。

―何かおかしい・・・??

そう思っていたのです。

小学生でも中学生でも宿題ワークの解き直しをさせると、取りあえずもう一度計算をし直します。×となった答え以外の数字が出てこれば、その瞬間に「できた!」と判断してしまいます。例えその答えが上記のような答えであっても、「×なおしに取り組んだ」ことには違いないからです。

でもその子は違いました。自分の出した答えと問題文を何度も見直し、何が変なのかを一生懸命考えていました。その、「一瞬立ち止まって考えてみる」ということが出来るかどうかは学力を上げるためには絶対必要な行動だと思います。「やれ」と言われたから「やった」、「書け」と言われたから「書いた」では、頭を使った行動ではありません。機械的にただ手を動かしたに過ぎないのではないでしょうか。

このようなことは中学生でもよくあります。父と子どもの年齢が、【父28歳、子ども18歳】という答えや、電車の速度が【時速720キロメートル】などなど。どう考えてもおかしいでしょ?という答えに出会っても違和感を感じない。これでは問題を解くための公式をいくら覚えても正解にはいきつかないでしょう。

私たちの授業では、小学生も中学生も×なおしを大切に取り組んでいます。一発で正解に行きつく―それはそれで素晴らしいことです。ですが、出来ない問題に遭遇したときに、その問題といかに向き合うことが出来るか?も大切なことだと思っています。この×なおしは多くの子どもたちが嫌がります。途中で考えることも手を動かすことも放棄してしまうこともあります。

子どもたちと根競べ連続ですが、自分の出来ないことにしっかり対峙させる経験を一つでも多くさせたいと思い、ギリギリするような思いをしながら彼ら彼女らが正解に辿りつくのをサポートしています。

『学問に王道なし』、本当にこの言葉を実感する毎日です。