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啓新セミナー

[2016年11月11日]

足元を固める学習を

ぐぐっと寒さが厳しくなってきましたね。県内の山間部でも雪が降り始め、本格的な冬の始まりを感じますね。今年の冬は昨年と比べ寒くなるようですので、体に気を付けて過ごしたいですね。

間もなく各中学校で定期テストが始まります。10月末から始まったテスト対策も明日・明後日が最後となります。テストに向けたラストスパートとなる今週末、子どもたちには是非精一杯頑張ってもらいたいと思いますし、私たちも頑張りたいと思います。

中学生のテスト対策授業をしていると小学生の学習において大切なことは何か?がよくみえます。

今回、中学2年生の国語のテスト範囲で文法が出されていますが、苦戦している生徒が多くいます。特に、「敬語」では『初めて学習した』というような様子で、尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い方の違いがよく分かっていない子がいます。また、「用言の活用」では、活用の種類や活用形がわからないという以前の、動詞・形容詞・形容動詞の区別がつかない子もいます。いずれも中学で初めて学習する内容ではなく、小学校で基本的なことを学習しているものです。テスト対策で苦戦している子どもたちを見ていると、小学校での文法学習が大切だとつくづく感じます。

国語の学習について保護者の方からご相談を頂くと、「文章の読解」に関することが殆どです。「文法的」な問題の出来不出来よりも文章を読み解く問題の出来具合の方を気にされる方が多いです。ある程度のまとまった文章を読み解くことが出来るようになるための問題演習はもちろん大切なのですが、一つ一つの文を主語・述語・修飾語の関係を正しく理解しながら文を読むことも大切です。

小学校で学習する文は、中学で学習する文ほど複雑な構造をしていません。小学生の内に、言葉の意味や使い方だけでなく変化する言葉の形や文構造を正しく理解し、使いこなせるようになるまで学習しておくことは、中学での国語だけでなく英語にも活きてきます。中学英語で「不定詞」や「関係代名詞」を学習しますが、日本語の文の係り受け(修飾・被修飾)の関係が理解できていないと、英作文どころか英文訳もできません。つまり教科書を読んでも意味が分からないという事態となってしまいます。

中学に入ると小学生の頃と比べ、学習しなければいけない事柄が一気に増えます。小学生の学習の学び残しをそのままにして学習を進めることは土台に大きな穴があるところに家を建てるようなものです。そのような状態では家は建ちません。だからといって、中学に入って小学校の学習内容を戻って学習している時間もありません。結果として、出来ない単元が増え続け、得点も伸びなくなります。

国語の文法学習、算数の計算練習、正しく言葉の意味を理解するための辞書引き、これらの学習は小学生の内だからこそじっくり、たっぷりすることが出来るものばかりです。中学の学習で伸び悩む子の多くはそうした基礎鍛錬が十分されていないことが多いです。逆に、小学生時代にそうした基礎をしっかり固めた生徒は、吸収できることがどんどん増え、問題のレベルアップも出来、結果的に学力も向上していきます。

今回のテスト対策の中で、とても素晴らしいノートを作っている生徒がいました。自分なりにテスト範囲の要点をノートにまとめていました。対策プリントを解いている間、問題につまづくと自分のノートを見て、解き方やポイントを確認して解き進めていました。学校の授業ノートとは違い、自分の弱点をまとめたものなのでピンポイントで調べやすいようで、どんどん問題を進めていました。このような学習が出来るその生徒は、やはり小学校の基本的学習ができています。その子の学習姿勢を見ると改めて小学時代の学習の大切さを感じます。

これから冬の時期、家でじっくりと学習する時間も取りやすくなります。是非、基本的学習を大切にしていただきたいと思います。