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啓新セミナー

[2016年12月9日]

漢字練習は修行ではない!!

毎日さむいですね。今週は夜になると雷がなる日が多いですね。授業中に雷がゴロゴロなるのを聞いて、ある生徒が「冬が始まったって感じだよね〜」と一言。新潟に来る前は冬に雷を聞くことはあまりなく、【雷=夏の夕立】と思っていました。こんな一言が出るなんて、まさに「新潟っ子」だな〜と感じました。こうした季節を感じる一言が出るのは素敵ですね。お天気もそうですが、子どもたちには様々な身のまわりのものごとから、季節を感じて過ごしてもらいたいと思います。

さて、今週は『国際学力テスト』に関するニュースが報道されました。日本は「科学的応用力」、「数学的応用力」が順位を上げた一方で、「読解力」の順位、平均点が下がっているとの結果でした。専門家からは、日本の子どもたちの「語い量の不足」が指摘されています。また、「教科書の文章を理解できていない子どもが多数いる」という意見も出ているようです。

啓新セミナーの小学生クラスに通う子の多くは、学校帰りに塾に来ます。授業開始までの時間、学校の宿題プリントや計算ドリル・漢字ドリル、自主学習などをして過ごしています。そうした子どもたちの宿題をしている姿を見ていると、「漢字練習を何のためにしているのかな?」と疑問に思う子が多くいます。ひたすら新出漢字をノートに練習したり、以前に学習した漢字を自主学習ノートに書いたりしているのですが、ただ「書く」ということだけを目的にしているのではないのかな?と思われるときがあります。

漢字練習の宿題というのは、その漢字の意味、その漢字を使った熟語の意味を正しく理解し、読み・書き出来るようにするためのものだと思います。一応、読み方などは横に書いているのですが、書いている漢字や熟語の意味を聞いても???ということが多々あります。これでは、漢字練習の真の意味を全うした勉強とはいえないのではないでしょうか?

国際学力調査の結果から「語い力」を高める必要性を強く感じますが、語い力は一朝一夕につけることが出来るものではなく、長年培っていくものです。そして、ただ読書をしていれば身に付く力でもないと思います。読書を通して身に付く語い力もありますが、「読書」と併せて、日々の漢字練習の中で、一つ一つの漢字、言葉の意味を正しく理解することが必要だと思います。修行のようにひたすら文字を書きまくっているだけでは「語い力」はおろか、「漢字力」もつかないのではないかと思います。


小学校入学時から始まる「漢字ドリル」とのお付き合い。この中でいかに「語い量」を増やせるか?は日々の宿題のやり方が重要だと思います。ことばの意味を理解する学習をして、さらに自分の好きなジャンルの本だけを読むような偏った読書ではなく、様々なジャンルの本を読むことで、「ことばの力」が培われていくと思います。

また、家庭の中での「会話」にも「語い量」を増やすチャンスがいっぱいあります。最近の子どもたちは色々な『略語』を使います。そうした言葉を大人たちが理解することも必要かもしれませんが、敢えて知らないふりをして説明させたり、正しい表現を教えてあげたりすることで、子どもの語いの幅を広げていくことも出来るかと思います。

核家族化が進んだ現代では、幅広い語い力を身に付けるには「ことば」というものに意識した日々の取り組みが必要なのではないでしょうか?年末年始、家族で過ごすことや親戚の方々と過ごすことが多くなる時季です。子どもたちが様々なことばに出会えると良いですね。