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啓新セミナー

[2017年2月13日]

考えて問題を解く

皆様こんにちは、啓新セミナー代表の大谷繁樹です。

小学生の算数の授業では、教科書内容に沿った授業と、『考える力のトレーニング』の授業を行っています。
先日ある男の子が、「『考える力のトレーニング』はすごく疲れる。」ということを言っていました。
『考える力のトレーニング』が疲れるということは、逆に言えば、教科書内容の勉強は疲れないということ。
教科書内容の勉強は、基礎知識・学力を身に付けるために必要不可欠なのですが、ある程度慣れてくると、「今『かけ算』を習っているから、かければいいんでしょ。」みたいな感じになって、何も考えなくても問題が解けてしまうのです。
惰性で解いていますので疲れるわけがありません。
一方『考える力のトレーニング』は、今まで学習した知識をフルに使って解かなければいけませんし、自分で図表を書いてまとめなければいけません。(しかも、わからなくてもヒントも与えられません)
必死に考えて答えを出しますので、当然疲れます。

『考えて問題を解く』というのは、当たり前のことのように思われますが、実は訓練しないと身に付くものではありません。
小学生の頃そういう訓練をしなかった子は、例えば、下のような中1の関数の問題で、
 「20枚の折り紙を姉と妹で分けました。姉の枚数をx枚、妹の枚数をy枚としたとき、yをxの式で表しなさい。」
すぐに『y=20x』と答えてしまいます。
その答えが違うと、またすぐに『y=20/x (x分の20)』と答えてしまうのです。
中1の関数=比例or反比例 としか考えていないので、問題内容をよく考えずに、比例の式でなければ、じゃあ、反比例の式となってしまうのです。
もちろん、「比例かな?反比例かな?」と決めつけて考えてみることが悪いわけではなくて、問題内容をよく考えて、「あっ、どっちも違う。」という結論に行きつくことが大事なのです。
また、考える習慣のない子は、模試や入試のような単元別になっていないテストを受けると、まったく手も足も出ません。

また、『考えて問題を解く』ことは、算数だけの話ではありません。
漢字練習にしても、読めなくても意味が分からなくても「宿題だから・・・」と言ってとりあえず書いている子がたくさんいます。
読めない字、意味がわからない言葉は、何回書いても身に付きません。

たいへんですが、疲れ果てて動けなくなるくらいまで考えて勉強しましょう!