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啓新セミナー

[2017年5月29日]

問題の中身を考えて解く

皆様こんにちは、啓新セミナー代表の大谷繁樹です。

現在、小学6年生が『分数のかけ算』を学習しています。
先日、「5/8(8分の5)時間の2/3(3分の2)は何時間ですか?」という問題を、解けなかったのは一人だけで、他の子は何の苦も無く解いていました。
割合の問題ですので、6年生ならば5年生で習っていますので解けて当然の問題です。
解けなかったその一人の子は、割合の考え方・解き方を忘れてしまったのでしょうね。

ここまで読んでいると、「できない子が一人いるんだな」という感想を持たれた方が多いと思いますが、果たして?

小学生が解く問題は、『単元別の問題』です。
つまり、現在『分数のかけ算』を習っていれば、分数のかけ算の問題しか解かないのです。
ですから、問題の中身がわからなくても、とりあえずかけ算をすれば正解が出るのです。
もちろん、中にはほんとうにわかって解いている子もいますが、多くはわからなくてもただかけているだけかと思います。
先ほどの解けなかった一人の子は、そういう意味ではきちんと考えて解いていると言えます。
この『問題の中身を考えて解く』ことは、当たり前のことなのですが、これがなかなかできない!
問題の中身を考えて解かないと、例えば次のような問題で、
「縦3/4(4分の3)?、横5/9(9分の5)?の長方形の横の長さを1/9(9分の1)?短くしたときの面積は?」

 3/4 × 5/9 × 1/9 と書いてしまうのです。

中学生、高校生になると時間的に余裕がなくなってしまいますので、ある程度は暗算で処理していかなければいけませんが、小学生は必ず考え方を式や図で表し、どうしてその式や図になったのかを確認しなければ、ほんとうにわかったどうかわからないのです。

小学校の算数のテストで、×をもらう問題というのは、たいがい計算ミスで間違った問題です。
ですから、お家の方も「うちの子は計算ミスが多くて」と、計算ミスばかりに目がいきがちですが、ぜひ〇の問題にも目を向けてください。(計算ミスは、常に見直し・解き直しをする習慣が身に付けば、なくなります)

せっかく○だった問題にケチをつけると、モチベーションが下がる心配もありますが、先々のために確認は必要かと思います。
塾では、『問題の中身を考えて解く』ことを意識させるために、いやらしく、分数のかけ算の中に、たし算やひき算の問題を混ぜてありますし、「なんでこの式になるの?」と聞いたり、「5つのうち、1問間違いがあるよ」と意地悪く言ったりしています。
何にせよ、小学生のうちに、『問題の中身を考えて解く』ことを意識させる必要があると思います。