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啓新セミナー

[2017年10月20日]

「わかりません」という逃げ言葉

ぐぐぐっと寒くなりましたね。このように寒くなるとあたたか〜いものが食べたくなりますね。今週の我が家では今シーズン初の「味噌煮込み」が登場!!私のソウルフードの「味噌煮込み」は1シーズンに何回かは登場するのですが、作るときはガッツリと鍋2個分!!実家に帰る度に赤みそを調達し、切らさないようにしています。

幼稚園のママの中には山形出身の方がいるので、今度、味噌煮込み&芋煮を持ち寄って郷土料理パーティーでもしよう!!と話しています。新潟だとやっぱり「のっぺ」ですかね。鍋物がおいしい季節となりましたが、よく考えてみればまだまだ10月半ば、今年の冬は長くなりそうですね。

2学期に入ってから、何人か新しい塾生さんをお迎えしました。まだ、塾での本格的な授業が始まって間もないので、塾の宿題のやり方、授業の受け方を指導するとともに、家庭での学習の進め方、宿題のやり方などの改善点をピックアップしながら進めています。特に注意して見ているところは、どの段階で「わかりません」と言うかな?というところです。

私たちは子どもたちが「自分で考える」ことを最も大事にしています。もちろん、新しい学習内容の指導はしますが、「指導する時間=教える時間」を出来るだけ短く、「自分で調べる時間」「考える時間」を長くとるようにしています。新しい内容の学習の場合は、解き方や文構造などを解説し、即問題演習をさせます。子どもたちが「わかりません」と言ったときには、「間違えてもぐちゃぐちゃな解答でもいいから、いったん自分なりの結論=解答を出してごらん」と言います。


学習はトライ&エラーの繰り返しです。私は、この「トライ」のときに、どう「トライ」をさせるか?が重要だと思います。「トライ」している途中で、分からなくなることはよくあることです。新しい学習内容であれば当然のことです。しかし、どんな結論=答えでも良いので、いったんは自分自身で最後までやり抜かせ、その上で○もしくは×のジャッジをする―これを大切にしています。

解いている最中で止まってしまい、そこで助け船を出してゴールまで行きついても、それはその子の力とはならないからです。一人ひとりの学力を考え、その子の持っている最大限まで「トライ」が出来たとき、初めて助け船を出すように心掛けています。

これは、自転車の練習と似ているかと思います。とにかく補助輪なしで走ってみる。どうしたら転ばないか必死で考えさせ走らせてみる。結果として転んだとしても、その結果まで必死に転ばないよう戦ったという経験をより多く積ませることで、自分の力を信じる「強さ」になります。また、いずれは、転ばず走り切ることが必ず出てきます。成功するまでに何度か転び、痛い思いはしますが、その『痛い思い』が次につながる一歩となるのではないでしょうか。

年々、こうした「トライ&エラー」の繰り返しに我慢できない子が増えてきてることを感じます。すぐに答えを知りたがる、手っ取り早く終わらせたがるとも言えます。塾に来て「わかりません」と言い、教えてもらうことは当たり前です。しかし、最大限の努力もしないで簡単に、ちょっと考えただけですぐに「わかりません」と言う子がいます。

「わかりません」の言葉で考えることを放棄していることが多くあるのです。英語や国語であれば、まず辞書で調べてみる、算数や数学であれば図や表を書いてみる、そうした作業を全くしないで「わからない」という言葉で逃げてしまうーこれではその問題の解法を教えても記憶に残らず、その子の力とはなり得ません。

初めてセミナーに来た生徒さんは、どの子も最初この「トライ&エラー」の繰り返しに戸惑い、苦しみます。時には泣きながら問題を解く子もいます。しかし、数か月すると自分で調べようとする、工夫をしようとするように少しずつ変化していきます。補助輪付きの自転車での練習に慣れてしまえば、補助輪なしの自転車には乗れるようになりません。補助輪を外すのに時間がかかる子、すぐに補助輪なしで走れる子、一人一人タイミングは違いますが、それぞれの子の状態、学力をじっくり見ながらサポートし、自分の力を信じる「強さ」と自分自身で「考える力」をつけていきたいです。

今はまだ戸惑っている新しく入塾した生徒さん達も、数か月後には以前からいる生徒さん達のように逞しく成長していけるよう見守っていきたいです。