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啓新セミナー

[2017年11月3日]

そのうちやる=何もしない

11月突入!!今年も残り2ヶ月となりましたね。1日は十三夜、お月見をしなければ…と思ってはいたのですが、息子の幼稚園の行事やなんだでバタバタしていたら、すっかり忘れてしまいました。秋はなんだかんだと色々と行事が多くてばたつきますが、そんな時だからこそ、ゆっくりと月を愛でる―そんな心のゆとりを持たなければいけませんね。

さて、11月に入りましたので、『今月の一言』を紹介させて頂きたいと思います。
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子どもたちと同じで私もよく「あとでやろう」なんて言ってしまうことが多々あります。そんなセリフを言ったものの殆どは忘れ去られ、結局「何もしなかった」という結果に終わります。今月はそんな自分への戒めも込めてこの言葉を選びました。

言葉はそれを発する人の心を表します。しかし、大人になると様々な事柄に対し、期日が設けられ、当然ながらそれを守らなければ、痛い思いをすることとなります。上司からの叱責、お客さんからのクレーム、何よりも周囲からの信用を失います。時にはそのことが給与に反映され生活に影響を及ぼすことだってあります。

では、子どもたちはどうでしょう。大人のような『制裁』を受けることは殆どなく、あるとすれば、テストの得点が下がる、通知表の評定が下がるなどです。この事は大人から見るととても大きなことと捉えますが、多くの子どもたち特に小中学生は、その一瞬は落ち込みますがしばらくすると「のど元過ぎれば・・・」というやつで、自分が「後でやろう」と思っていたことが出来なくても日々の生活に深刻な影を落とすまでには至りません。周りの大人が思う以上にケロッとしていることが多々あります。

私たち大人は高校入試、学生生活、社会人生活、家庭生活など多くの経験を積んで今に至ります。その中で何度となく痛い目を見る中で、『逆算して行動する』ということを体得してきています。なので、「そのうちやるよ」なんて言う子どもたちを見たときに、
「今、これだけの勉強をしなければ高校入試で困る」と考えます。数か月、数年後の入試というポイントから『逆算して』そう思うのですよね。これは日々の生活でも同じで、「宿題をしなさい」と声を掛けるのも、寝る時間まで「あと何時間ある」と逆算しているのではないでしょうか。

しかし、年が下がれば下がるほど、『逆算して行動する』という発想を持っていないように思います。子どもたちは、「時間なんてまだまだある」、「もうちょっとしたらやろう」と本気で思っているようです。そんなに時間に余裕はない時でもですね。時間の感覚が大人と子供では明らかに違います。日々の生活の中で逆算して行動をすることが出来ない子に、高校入試のことを考えて行動させることは至難の業です。

20数年、塾講師をしてきて子どもたちの心の成長速度が年々遅くなってきている事を感じます。言葉は達者になり、大人びたこと言う子は増えましたが、実際に行動と言葉が相当かけ離れている子は少なくありません。親御さんは[中学生だからこれぐらい言えばわかるだろう」「もうこんなに大きくなっているのだから自分で考えて行動できるだろう」と思われるのでしょうが、現実はちょっと違うように思います。

まずは日々の生活です。日常生活の中で子どもたちに時間を自分で逆算させて行動させようとするのではなく、子どもさんと話し合い「家庭内時間割」を作ることをおススメします。一つ一つの行動を「時間割」として決めるー「○時からお風呂」「○時から勉強」というようにです。親御さんも大変かもしれませんが、『先々のことを見据えて行動できる子にする』には、時間を逆算して考える力が必要です。その第一歩は、『決められた時間を守ることが出来る』です。家庭での時間が増えるこの季節、一度作ってみられるのはいかがでしょうか?