[2017年11月10日]
立冬を過ぎ早くも冬らしい毎日ですね。朝はぐっと冷え込み、日が落ちるのも早くなりました。教室では鼻をグズグズ、咳をコンコンさせる子も増え、子どもたちの体調が気になる毎日です。各中学校では定期テストが始まりはじめているので、体調を崩さないよう頑張ってもらいたいと思います。
昨日までは『読書週間』でしたが、皆さんはどんな本を読まれましたか?仕事に家事・育児としているとなかなか本をじっくり読む時間を取るのが難しいですね。仕事柄、教育関係の本を手にする機会は多くありますが、こうした期間にじっくりと自分の好きなジャンルの小説をゆっくり読みたいな〜と思いつつ、思うだけで過ぎていく毎日です。先日、東京の美術館で中野京子さんの「怖い絵」展がされていることをニュースで見ました。中野京子さんの本も好きで数冊読んだことがるのですが、小さい子がいると読書と同様でゆっくりと展覧会に行くのもままならないですね。本を読む、音楽を聴く、絵画を鑑賞する―そんな『芸術の秋』を息子と一緒に堪能できるには、まだまだ数年かかりそうですが、いつかしてみたいと思います。
中学生は、まさに定期テスト対策の真っ最中ですので、中学部の授業はどちらかというと(私の方が)ピリピリモードです。直前にピリピリしても・・・とは思いつつも、最後の最後まで1点でも多くもぎ取ってこられるよう、ついつい日々の指導にも熱が入ります。
中学生さんに比べ、この時期の小学生さんはほんわか〜な雰囲気の授業となっています。学校から帰ってくるのも早くなり、お家でゆっくり過ごす時間が多くなってきているからでしょうか?どちらかというと夏までと違い落ち着いた雰囲気で学習できている子どもたちが多いことを感じます。
昨日は小学校2年生さんと『かけ算』の授業をしました。最近は九九を歌で覚えるCDなどが出されていることや、また、上にお兄ちゃん・お姉ちゃんがいらっしゃるせいで、かなり早いうちから九九を覚える方が増えてきていますね。幼稚園生で九九が言える!なんて子もいるようです。学習し始めの頃の九九は本当に楽しいようで、学校ではまだ学習していない段もどんどん先取りして学習する子も少なくありません。九九をしっかり覚え込むことはとても大切です。中学3年生で展開・因数分解、平方根などの単元の学習時に何度も計算をミスする子は九九が怪しいことが殆どです。
九九の学習をいかにしっかり定着するまで、つまり、どんな場合でも「うっかりミス」のようなことをしなくなるまで取り組ませるかは、その後の学習を大きく左右します。ですから、『いつから覚えるか』ということよりも『どれだけ定着しているか』に重点を置いていただきたいと思います。特に後半の6・7・8の段は曲者で、なかなか覚えきるのに時間がかかるようです。声に出して6・1が6から順に言えることは当然なのですが、1の段から9の段までを順番通りでなくアトランダムに出来るようにする、間髪入れずに答えがだせるようにする、そのレベルまで問題演習することが必要です。
昨日の生徒がつまづいた問題が、
『折り紙が30枚あります。6人に2枚ずつ渡すと、何枚残りますか?』
です。6×2=12 答え12枚 となっていました。
一緒に図を描き、12という数字が何を表しているのか?求めるべき数は図の中のどの部分なのか?を確認し、ようやく答えの18枚にたどり着きました。なぜ、答えにたどり着けなかったのか?理由は簡単です。ワークの一番上に「かけざん」と書いてあったからです。この問題を解くときには、渡した折り紙の枚数を『かけ算』で求めた後、最初の枚数から渡した枚数を『ひき算』しなければいけません。しかし本人は「かけざん」と書いてあるからかけ算だけすれば良い=答えになる、と考えていたのです。
このような考え方をする子は、実はすくなくありません。どの単元の学習でも言えることですが、九九や様々な公式を覚えたとき、それがパーフェクトになっても実際の問題では答えに行きつく訳ではありません。計算問題ならいざ知らず、文章題・図形問題となるとその文章や図形を頭の中でイメージする能力、今まで学習した事柄を運用もしくは組み合わせる力も必要です。九九をスラスラ言えるだけでは十分な学習能力とは言えないのです。
小学生時代の学習は中学・高校ひいては社会人になった時にまで大きく影響を及ぼします。一つ一つのステップを大切にそして着実に踏んでいく必要があります。各単元の学習において、「できている」という判断をどのレベルでするかが重要です。九九が言える計算できるで止まってしまえば、いずれ大きなしっぺ返しが来ます。十分すぎるぐらいの問題演習が学力向上には欠かせないですね。