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啓新セミナー

[2017年12月4日]

先生はトイレ?

皆様こんにちは、啓新セミナー代表の大谷繁樹です。

先週の新聞記事に、国立情報研究所の調査結果が載っていました。
記事によりますと、『主語と述語の関係といった「係り受け」など、文章の基本的な構造を理解できていない中高生が多くいる』とのこと。
具体的な例として、
「幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。」という文章と、「1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。」という文章が同じ内容かどうか判断がつかない中学生が約43%、高校生が28%いるとのことです。
衝撃の数字ですね。まさかこんなにいるとは思いませんでした。
小学生については調査してないようですが、小学生にも調査をしたら中高生よりも数字が大きくなるでしょうね。

私は算数・数学を中心に指導していますので、長い文章を扱うことはほとんどないのですが、それでも、言っていることが理解できない、書いてあることが理解できない、説明(指示)した通りにできない子が増えてきたように思えます。

例えば、小学4年生ですと、「12569を千の位までのがい数で表しなさい。」という問題で、どこを四捨五入すればいいかわからない子がいますし、中学1年生ですと、「ある数の5倍から4をひいた数は、もとの数の2倍に14を加えた数に等しい。ある数を求めなさい。」という問題の「もとの数」の意味が分からない(何を指しているかわからない)子がいます。(中には、ある数をx、もとの数をyとする子もいます) 

読んで理解する力、すなわち、読解力がないということなのでしょう。
では、読解力をつけるには? というと、「本を読む」になってしまうのかもしれないのですが、おそらく、読書以前に普段の会話から直さなければいけないのではないでしょうか。

語いが少ない、読解力がない子というのは、「先生、トイレ。」のように、単語での会話が目立ちますし、テストの振り返りをさせると、「だめだった」とか「もっとがんばる」という表現しか使いません。

読解力をつけるにはまずは普段から、主語・述語、助詞、助動詞、接続詞などを使ってきちんとした文章で会話することが大切だと思います。
もちろん、きちんとした文章=難しい言葉を使った立派な文章ではありません。
「先生、トイレにいかせてください。」で十分です。
そして、我々大人が子供たちの単語での会話を見過ごさないことが大事です。間違っても、大人の方が単語で会話しないようにしましょう!