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啓新セミナー

[2017年12月8日]

その勉強は『手の運動』??

雪に雨に毎日寒い日が続きますね。インフルエンザだけでなく幼稚園や小学校では胃腸炎も流行っているようです。手洗いうがい、予防にできることをしっかりして防ぎたいものです。我が家では、先日テレビで見た風邪予防を参考に、「緑茶でうがい」を親子で実践しています。色々と『これは効く!!』という方法を試してはいるものの、息子は先週末、胃腸炎で大騒動でした。それでも、何もしないよりはましなのでは・・・と思い、手洗いうがいにいそしむ毎日です。皆さんも体調を崩されないようお気をつけください。


先日、小学生2年生の算数ワークの×直しをしていた時のことです。
問:1辺が5?の正方形の周りの長さは何?ですか?

この問いに対し、「5cm」と答えていました。×直しをさせると「2cm7mm」となっています。なぜ、そのような答えを書いたのかを確認すると、
「5cmでは×だから、図の正方形の1辺の長さをはかった」
という???な答えが返ってきました。問題文を音読させ、何を問われているのか?を一緒に確認し、正解へとたどり着くことができました。

小学生の算数の授業をしていると、ワークのタイトルに「かけ算」とか「わり算」と書いてあると、文章をよく読まないで出てきた数字を単純にかける、わるという解き方をする子が多くいます。もしくは、そこに出てきた数字をそのまま書くなんてこともあります。算数でも数学でも文章題の場合、それほど長い文を読むことは殆どありません。せいぜい2〜3行、長くて4〜5行の文です。その短い文をきちんと読もうとしない子が多くいます。小学生の時に、文章題に丁寧に取り組む学習をしない子は、中学に入っても同じで結果として数学の得点が伸びなくなります。

授業中、子どもたちに、「出てきた数字だけを見て考えようとしないように」とよく言います。問題文に出てきた数字だけを無理やり組み合わせて、運よく〇がもらえたとしても『解けた』ことにはなりません。どうしてそのような答えになるのか?がきちんと説明できなければ意味がないからです。この「説明できる」というのがすべての学習において大切なことだと思います。

算数の学習においては、やはり「式」をきちんと書かせることが大切です。多くの小学生は式をきちんと立てないで、ワークやノートの隅にひっ算をぐちゃぐちゃっと書いて答えだけぽ〜んと書いています。そんな時、授業では答えが○であっても、再度すべての問題の式を書かせていますが、できれば家庭で取り組む際に一つ一つ式を立て、解いてもらいたいと思います。

最終的に高校入試では、「解く過程」も見られます。小学生時から【立式→解答】をセットで取り組む姿勢を作ることが大切です。間違えた時でも、式がきちんと書かれていれば、どこでどう考え違いをしたのかもわかりやすく、×直しもスムーズにいきます。文章を読み、状況をイメージし、式を立てる―こういう取り組みができるだけ低学年のうちから定着すると学力は伸びやすくなります。

出てきた数字を適当に計算していても思考力はつきません。日々の学習は思考力を鍛えるためにあるものです。ただの「手の運動」のような学習にしない取り組みが大きな力となるのだと思います。