[2018年6月22日]
先週から今週にかけて寒かったり暑かったりと天候が落ち着きませんね。変化の激しい季節になると何だかのどがイガイガしたり、体がダルっぽかったりとする毎日です。私とは対照的に、学校で水泳の授業が始まった息子は、月曜日に「今日は寒くて地獄シャワーだった〜」と嬉しそうに話していました。なぜ地獄シャワーがいいのか???私には考えられない世界です・・・(*_*)子どもは元気でいいですね!皆様もお体にはお気をつけください。
この時期の小学生の授業では毎年、同じような間違いをする子に出会い、そのたびに同じことを思います。
算数の問題です。
問題:長さが2メートルの針金を使って長方形を作ります。縦の長さが8分の3メートルのとき、横の長さは何メートルでしょうか?
この問題を間違える子は皆同じ間違いをします。
よくある間違えた答え→2−3/8=13/8
このような間違いは小学生にだけ起こるのではなく、中学生の文字式で同じような問題で同様の間違いをします。
間違えた子達はいつまでも数字とにらめっこし、かけてダメなら割ってみる方式で、思いつく限りの計算式で無理やり解こうとします。しかしそんなとき、「こうでこうでこうだから・・・」と説明することはしないで、黙ってじぃ〜っと子どもたちの様子をみています。できるだけ、子どもたち自身が自分で解く力をつけさせたいからです。
このような問題の場合、実際に長方形を描いて、その図の中にわかっている情報を書き込んでいくことで解くことが出来ます。文章題は、その内容を図式化することでみえてくることが多くあります。しかし、なかなかその「図式化」することが出来ません。−いやできないというよりか、しようとしません。『図を描いてみると良いよ』と何度か声をかけ、何度か間違えた後でないと書こうとしない子が多いのです。
指導の中で、その子の学力にあわせ、小出しにヒントや解法の道筋を示しています。上記の問題を解くのであれば、まずは「長方形を描く」です。しかし、そうしたアドバイスに対して、すぐに反応できるかどうか?が学力伸長には大きく影響します。これは算数や数学のことだけではなく、英語や国語などでわからない単語や言葉が出てきたとき、辞書を引けば5分で終わるのに、いつまでたっても辞書を開こうとしない―わからない言葉を何分も何時間も考えていても、単語のスペルや言葉の意味は「ひらめく」ものではありません。さっさと辞書をひくに限ります。このような場合も、当然ながら最初に「辞書をひくんだよ」と言っているのですが、やはり行動に移さないのです。
どちらの場合も、すぐに行動しない子の理由は一つ、子どもたちの言葉でいうと『めんどくさい』です。私からすると、いつまでたっても解けない問題が目の前にあって、自分なりに手を尽くしてもやっぱり解けない、何度も何度も書いてはもしくは解いてみても×ばかりで何度となくやり直しをさせられる・・・こちらの方がよっぽど『めんどくさい』のではないかと思います。自分なりに手を尽くそうと努力することはとても良いことですが、『言われたことをやってみる』という行動力があってのものだと思います。
入試やテストまでの期間も試験時間もどちらも限りがあります。その限りある時間の中でより多くのことを出来るようにすることが肝心です。「わからん」、「めんどうだ」と言って一つの問題にかかりきりになっていれば貴重な時間はどんどん失われていくばかりです。
私たちが言う「こうした方がいいよ」ということは一見面倒くさく感じるかもしれませんが、プロとしてその子の学力を考えた上で言っている言葉に耳を傾けようとしなければ伸びるものも伸びません。たとえ私たちが言うことがものすごく面倒なことであったとしても、それを乗り越えることでその先に繋がっていくのです。
こうした子供たちの様子から・・・「素直に聴く心」と言われたことをやることが出来る「行動力」ーこの2つがあるかないかで、その子の『伸びしろ』が決まると思うのです。