[2019年1月14日]
皆様こんにちは、啓新セミナー代表の大谷繁樹です。
現在中学1年生が平面図形の作図を学習しています。
「直線ℓ上に点Pをとって、・・・」と書いてあれば、普通 ↓ となりますが、
ほとんどの子が ↓ と書いているのです。
「なんでここに点Pをとったの?」と聞くと、
「だって、直線ℓの上(うえ)って書いてあるから」とのこと。
また、「点Mから辺OYにおろした垂線MHを作図せよ」という問題も ↓ こんなところに点Hをとるのです。
このような間違いをする子は、何年か前は一人いるかいないかだったのに、年々増えているような気がします。
作図の問題ではないのですが、方程式の問題で、「家から学校まで往復するのに、行きは分速〇mで歩き、帰りは分速△mで歩いたところ、往復するのに□分かかった。家から学校までの道のりを求めなさい」と聞かれて、「『家から学校まで』って、片道ですか? 往復ですか?」と質問した子が何人かいました。
たかだか数文字の問題文をきちんと理解できない子が増えています。
これは算数・数学の力がないからなのか? それとも「直線ℓの線のところに点Pをとって・・・」とか「家から学校までの片道の道のりを求めなさい」と書いていない問題が悪いのか?
算数・数学は、「図や表、絵を描いたり、分かりやすい言葉で言い換えたりして考える」といつも言っていますが、それ以前に文章がきちんと読めなければ表も図も描けるわけがありません。
読書が大事。でもただ読むだけではなく、状況を頭の中でイメージしながら読むことが大事なのです。
それと、算数・数学の場合、ある程度は常識というか暗黙の了解と捉えなければいけません。
「家から学校までの道のり」と言ったら、それは片道のこと。
さらに言えば「家から学校まで往復する」と言ったら、学校に着いたら何もしないですぐ家に帰ること。
最近はすごくわかりやすい問題集や映像教材がありますが、ベースとなる読む力(読解力)や語彙力がなければ話になりません。
これは国語や数学だけでなく、理科・社会、英語にも言えます。