パソコン版を見る

啓新セミナー

[2020年9月4日]

鼻先にニンジンでは・・・

毎日暑いですね。昨日は県内のあちこちで全国最高気温を記録し、新潟市も体温を超える38℃オーバー!驚きの暑さです。皆様、体調にお変わりないですか?子どもたちも、ややぐったりとした様子でした。いつまでこの暑さは続くのでしょうかね。早く「秋らしく」なってほしいものです。

さて、ようやく各中学校の定期テストが終わり、早い学校では答案が返却され始めています。夏期講習での子どもたちの頑張りが結果となって返ってくるのを楽しみに待ちたいと思います。

学校の定期テストの前後になると保護者の方からのスマホに関するご相談をよく頂きます。なぜ、テストの前後か?・・・それは子どもから「テストで〇〇点取ったら、スマホを買って!!」とおねだりをされるからです。難しい問題ですね。私の個人的な意見としては「NO」です。スマホを持たせること自体に「NO]という訳ではなく、『テストのご褒美として与える』ことに「NO」という意見です。

昭和な人間の私としては、子どもにスマホなんて必要ない!!とは思いますが、現状の子どもたちを取り巻く環境を考えるとそうでもないのかな〜とは思います。適切な使用法をきちんとご家庭で話し合い、適切に使うことができることが前提ですが、私たちの子ども時代と違い、イマドキの子どもたちには必要なツールとなりつつあるのでしょう。

ですが、「勉強のご褒美」としては、あまりにも高価すぎるのでは?と疑問に感じます。そして何よりも「馬の鼻先にニンジンをぶら下げる」ような手法では、一時的にテストの得点が上がったとしても、それは一過性となる事が多く、永続的な努力に繋がらないと思われます。

そして、多くの保護者の方が『勉強は自分の将来のために必要なんだよ』と日頃から子どもたちに伝えていらっしゃるのであれば、尚更、そのご褒美は言っていることと矛盾します。スマホ購入をエサにしてしまえば、子どもたちは「将来のため」ではなく、「目先の利益のため」に努力することとなります。

本当に子どもにとって「必要だ」と感じ、購入するのであれば、テストのご褒美ではなく誕生日やもしくは、家庭生活の中での目標達成時などのご褒美であげるというのはどうでしょうか?

以前、塾内でアンケートをとったところ、子ども個人がスマホを所有している率は5割にも満たない状況でした。子どもたちが言う「みんな持っている!!」という主張はかなり当てにならない情報だと実感しました。また、テストのご褒美で買ってもらった後、スマホばかりかまっていて勉強しないなど最初に決めたルールが守られていないために起こるトラブル話もよく聞きます。

時代の流れの中で、お子さんのスマホデビューは避けて通れない道かもしれません。しかし、勉強への影響だけでなく、様々なトラブルに巻き込まれないようにするためにも、持たせる場合はきちんとルールを決め、出来ればそのルールを明文化することをおススメします。中には、親子で『誓約書』を作成し、お互いにハンコを押して家の中に貼ってあるというご家庭もあります。

今後は、だんだん日が短くなり部活動も早く終わるようになってきます。秋になるとスマホの使用に関するトラブルのご相談が増えてきます。今一度ご家庭でのルールを再確認して頂きたいと思います。そして場合によっては「解約する」必要もあるかもしれません。子どもたちがスマホを持つことは「親の覚悟」が必要なのではないでしょうか?