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啓新セミナー

[2021年3月8日]

入試問題を解きました

皆様こんにちは、啓新セミナー代表の大谷繁樹です。

先週の木曜日と金曜日に公立高校の一般選抜がありました。
受検生の皆さん、お疲れ様でした!
やるだけのことはやったと思うので、今は何も考えずに、合格発表の日までゆっくり休んでください。

今回は、数学と理科と社会を解きましたのでその感想を。

<数学>
大問[1]と[2] 小問集合
作図以外は基本的な問題ばかりでしたので、ここは何が何でも得点しておきたいですね。
しかも今年は例年に比べ問題数が減り、1問当たりの配点が高くなっていますので、なおさらミスが許されないところ。

大問[3]1次関数(水量の変化)
(2)で、直線の式の切片を求めさせて、それが表す数量をア〜エの中から選ばせるという、初めて見るタイプの問題が出題されていました。
今まで単に「座標をy=ax+bに代入して」と機械的に解いていた人には難しかったのではないか?
直線の傾きは何を表すのか? 切片は何を意味するのか? まできちんと考えるよう、指導しなければいけませんね。
(3)は、新潟県の入試問題でよくある、関数(x、y)を使わなくても四則の計算で答えを出せる問題でした。過去問等をしっかりやっていれば対応できたのでは? ただ、8.4分を8分24秒に直せたかどうか? (これは小学生の問題ですが・・・)

大問[4]平面図形(図形の移動)
会話文形式の問題文を読んで、□に当てはまる数字や記号を答える問題。
センター試験や共通テストのような問題でしたね。
(2)?の証明問題は、三角形の合同や相似を証明するのではなく、「円周角の定理の逆」を使って証明する問題。
問題自体はそれほど難しくないと思いますが、あまり見たことのない問題でしたので、どのように書いたらいいか戸惑った子も多かったのでは?
(2)?は難問。ただ普段から図をしっかりかいて考える習慣が身に付いている子ならば、図から簡単に答えが出たかもしれませんね。特に複雑な計算もなかったですからね。
長い文章を瞬時に理解して、指示に従って解答するという新しい形式の問題に、戸惑った子が多かったと思います。

大問[5]空間図形(正四面体)
(2)相似の証明が平面図形ではなく空間図形で登場。ただ、辺の長さの比、はさまれる角の大きさが最初から分かっていましたので、解答しやすかったと思います。
(3)体積比の問題。基本的に中学生は正四面体の体積を求めることができませんので、底面積の比と高さの比で比べればいいということに気付けば。
答えは、(3×5)÷(1×2)=7.5 と簡単に求めることができるのですが・・・ 難問だったでしょう。

全体を通じて、
・例年に比べ大問が1題減り、1問1問の配点が高くなりましたので、計算ミスや符号の付け忘れ等の細かいミスが命取りになる。
・文章量が多いですし、証明も2題出題されていますので、読むスピード、考えるスピード、書くスピードをUPしなければならない。
・複雑な計算をして求める問題がなく、すべて、図をかけば、ひらめけば解けるという問題ばかりでしたので、個人的には好きな問題でした。(子どもたちは嫌だと思いますが・・・)

<理科>
例年通り、大問が8題でしたが、大問[1]が久しぶりの『小問集合』でした。
計算問題は、化学変化の質量を求める問題と、オームの法則等を使った電流の問題で、今年も計算しやすい基本的な問題ばかりでした。
記述問題は、学校の定期テストや模試等でよく見かける代表的な問題ばかりでした。
全体的に基本問題が多かったと思ったのですが、太陽の表面温度、回路図、北半球の風向き等、「教科書に載っているけど、まさか入試で出るとは・・・」という問題がけっこうありましので、しっかり教科書を読んで理解することがますます大事になってきますね。
あと、例年通り、「ア〜エの中から選べ」という問題が多かったのですが、単に用語を知っているだけではダメで、性質、特徴、違いなどをしっかり理解していないと解けない問題構成になっていましたね。

<社会>
例年通り、地理分野2題、歴史分野2題、公民分野2題の構成。
縮尺、割合、必要人数等の計算問題は出ませんでした。
地理歴史は、例年通りといか予想通りの内容でしたが、公民が毎年変わっている(予想がつかない)なあという印象でした。
今年の特徴は『資料を読み取る問題』が多数出題したこと。
資料に書いてあることを読み取って解答するだけなのですが、なぜそういうことになるかなどの背景をきちんと理解していなければ解けないようになっていました。
理科同様、単に用語のみを暗記するだけではダメで、原因・結果、対応・対策等までしっかり理解して、自分のことばで説明できるようにしなければいけませんね。
この傾向は今後も続くでしょう。


理科、社会は3年間きっちり勉強した成果が問われる良問ばかりだと思いました。
普段の定期テストの対策をきっちり行っていれば確実に得点できます。
一方、数学は小学校・中学校で教科書しか勉強してこなかった子には手も足も出ないような問題が多かったように思えます。
いつも言っていることですが、数学で高得点を取るには、普段からあきらめずに考える、図表をかいて考える、自分で工夫して考えることをしなければいけません。
それに尽きるかと思います。