[2021年4月5日]
皆様こんにちは、啓新セミナー代表の大谷繁樹です。
春期講習が終わって、久しぶりの更新です。
春期講習中も通常授業がありましたので、朝に夜にと大忙し?だったのですが、春期講習では復習を、通常授業では予習をと、内容を変えて授業を行いましたので、常に新鮮な気持ちで授業に臨むことができ、とても充実した2週間でした。(子どもたちはげっそりしていましたが・・・)
また、先週の日曜日には新中学3年生対象の『新潟県統一模試』を行いました。
統一模試が始まると、「また新たな1年が始まったな」という感じがします。
統一模試で大事なのは、順位や志望校判定よりも『模試の活用法』です。
当たり前ですが、昨年度とはメンバーが違いますので、模試の活用法も変わってきます。
試験を受けている子どもたち一人一人の顔を眺めながら、成績、志望校、学習状況などを基に、その子に合った活用法、及び、1年間の学習の進め方などを考えていましたら、あっという間に試験が終了してしましました。
まあ、やることはたくさんありますね。
1年って長いようであっという間。
子どもたちの理想が実現するように綿密な計画を立てて進めていかなければいけませんね。
(勉強するのは子どもたち自身ですが・・・)
大忙し?だったはずの春期講習でしたが、結構時間があり、↓ という本を読みました。
池上さんは、読解力には、マニュアルや契約書などを読むときに必要な『論理的読解力』と、詩や小説などを読むときに必要な『情緒的読解力』があり、算数・数学を学習するときにも『読解力(論理的読解力)』が必要であると言っています。
算数・数学の『読解力』。
例えば、1/2(2分の1)+1/3(3分の1)という分数の計算。
ほとんどの人が「通分して分子どうしをたせばいい」ということを知っていると思うのですが、では、「なぜ通分しなければならないのか?」「なぜ1/2+1/3=2/5としてはいけないのか?」と聞かれてきちんと答えられる人がはたしてどれくらいいるのか・・・
また、そもそも「1/2とか1/3ってどういう意味?」がきちんと答えられるのかどうか・・・
分数がわからなくなる、あるいは、中学生になって数字でできたことが文字になった途端にできなくなってしまったという人は、おそらく計算方法だけを知っていて1/2や1/3という分数そのものの意味をきちんと理解しなかったのだと思うのです。
1/2や1/3の意味をきちんと理解していれば、それらを合わせたら2/5になるのがおかしいことに気付きますからね。
この本を読んで、『読解力』の大切さと、その『読解力』を身に付けさせるために必要な『指導』の難しさを改めて知りました。
「わかりやすく教える」って、一歩間違えば単に『誘導している』だけになってしまいます。
『誘導する』とはどういうことかと言うと・・・
先生:「この問題はこうするとここがわかって、そこにこれを代入すれば答えが出るんだよ。」
生徒:「わーすごくよくわかった! 自分でやってみまーす。」
生徒:「自分でやったらできました。ありがとうございます!」
というようなことです。
こういう指導では、子どもたちは自力で答えを出すことができるので、満足度はすごく高いのですが、子どもたち自身が考えていませんので、理解力は上がらない、即ち、力は付かないのです。
いわゆる、『わかった気』になっただけなのです。
「なぜこうしなければいけないのか?」「なぜ代入しなければいけないのか?」を考えてこそ理解力が上がるのです。
「なぜ?」が大事なのです。
塾の講師を始めて25年経ちますが、日々勉強すること、考えること、工夫することがまだまだたくさんありますね。
日々精進ですね。