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啓新セミナー

[2021年5月14日]

「超 勉強力」

5月も中旬を迎え、日中の日差しが強くなり汗ばむような陽気となってきましたね。塾に通う小学生さん達の中には半袖半ズボンで来る子が出始め、夏の訪れを感じる毎日です。

西日本では梅雨入りした地方もあるようで、夏が間近に迫ってきていますね。そんな中でも我が家ではまだまだファンヒーターがで〜んと構えていますが…。これからは小学校で運動会シーズンを迎えますね。元気に頑張ってもらいたいと思います。

先日ネットの記事で見かけた本が気になって取り寄せてみました。↓  ↓  ↓
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主人に呆れられるほどのワイドショー好きな私。毎日欠かさず何かしらのワイドショーを見ていますが、その中でコメンテーターとして活躍されている3人の先生の共著です。多くいらっしゃるコメンテーターの中でも大好きな方達ですが、どなたも非常にわかりやすく丁寧なお話で一気に読んでしまいました。

それぞれの先生の言葉の中で特に心に残った言葉が、

斎藤先生の「学んでいない人は、持って生まれた素質だけで勝負することになる」、
中野先生の「学びは自分を守るための武器」、
山口先生の「勉強は人生の扉を確実に開く」


です。

勉強=偏差値の高い学校に入るため、ではなく、自分自身の立ち位置を知ったり、理解の幅を広げたり、他者への理解を深めたりするために「学び」が存在することを述べています。

塾屋として私は子ども達に、定期テストや模試などでの得点UPを目指すように言います。しかし、それは偏差値UP=成功ということではなく、今の現状から一歩でも上に上がることによって見える景色を広げてほしいという思いがあります。今日の一時間の授業を、一ミリでもいいから何かしらの前進となる時間にしてもらいたいと思い、日々指導しています。「〇〇高校が良い」「〇〇高校に入れ」ということではありません。

学力を一段あげることで、様々な物事に対して考える範囲を広げることが出来ます。10個のことしか知らなければ、10個のことしか伝えることが出来ません。100個のことを知っていれば100個のことについて伝えることや議論すること、思いを共有することが出来ます。大人になって世界が広がった時、絶対的に必要となるスキルはコミュニケーション能力です。コミュニケーションでは、相手の言葉を理解し、その人の置かれている状況をイメージする力が必要です。そうした力をつけるには、やはり知識が必要ではないかと思います。

私は授業の中で子ども達に、勉強は山登りと同じだという話をよくします。この本の中でも、斎藤先生が同じようなことを述べられていました。教育に関わる人というのは同じような例えを使うものですね。山登りの時、3合目で下山すれば3合目からの景色しか知らずに終わってしまいます。頂上まで登れば頂上からの景色を見ることが出来ます。より高いところに上ることで、物事を俯瞰してみることが出来、それによって、その時々の出来事がピンチなのかチャンスなのかを知ることが出来たり、次にどうすれば良いかを考えることが出来たりします。

小・中学生時の学習は、その山登りにおける道具だと思います。1つでも多くの道具があれば、より高い山に登ることが出来たり、何かあった時に対処したりできます。be動詞や方程式、化学反応式などなど、小・中学生で学習したことが大人になって使うかどうかは、その子が大人になってみないとわかりません。今、大人になっている人が「全く意味がなかった」という人生だからと言って、今の子ども達も同様に「意味がなかった」という人生になるかどうかなんてのは、誰にも分りません。また、身につけて「損をした!!」と思う知識は無いと思います。ないよりあった方がいいーこれは大人の方が身に染みて思うのではないでしょうか。

勉強を楽しいという子は少数派かもしれませんが、日々の授業を通して一つでも「わかる」「できる」ということを子ども達に作っていきたいと思います。わかる・できるが増えていくことが、勉強という山を一歩ずつ登っていく推進力となります。子ども達と一緒に、困難ではありますが、そんな“山登り”を楽しんでいきたいです。