パソコン版を見る

啓新セミナー

[2021年6月25日]

「話す」と「出来る」の違い

梅雨入りしたという割には、良いお天気が続いていますね。梅雨時期は湿度が高いわりにそれ程気温も上がらないため、洗濯物が乾かなくてイライラしてしまいがちなのですが、今のところそういうこともなくありがたい毎日です。ですが、体調は…というと、何だかすっきりしない感じがします。梅雨時期は体調管理が難しいですね。私だけでなく息子も何だか最近はグズグズすることが多く、ちょっと参っています。皆さんのご家庭はいかがでしょうか?どうぞ体調にお気をつけてお過ごしください。

毎年、この時期になると庭の「梅もぎ」をしています。今年はちょっと欲張って少しでも大きくしてから…と思っていたのですが、どんどん色づいていってしまうため仕方なくもぐことにしました。よくよく考えてみれば、もぐ時期が遅かった割にそれ程大きくなっていないところを見ると、我が家の梅は大ぶりな実がなる品種ではないのかも?ということに気づきました(気付くのが遅かったのですが…)。確かに、何か特別な肥料をやっているわけでも、手をかけているわけでもないので、大きくなろうはずがないですよね。ですが、息子と恒例の「梅もぎ」が出来て楽しむことが出来ました。
で、とれた梅の実が↓     ↓     ↓ 
img1
まあまあの量です。何も特別なことをすることもなく育った実なので、色も悪く形もバラバラですが、1本の梅の木から取れたことを思えば、OKかな〜と。 全部で2300gもありました。毎年、この実を使って、「梅ジュース」を作るのですが、今年は違うことをしたいな〜と、思案中です。梅の実を使った「技」、募集中です。キーワードは「簡単」「手間いらず」です。何か良いアイディアがありましたら、是非教えてください。

先日、ネットに出ていた記事が気になり、その元となった書籍を取り寄せました。
これです。↓     ↓     ↓
img2

榎本 博明氏の新刊です。この方の本は何冊か読んだのですが、いずれも、様々なデータを示し論じられているため、内容がすっと入ってくるーそんな感じがします。

子どもたちの「読書離れ」の危機感から、全国の小中学校では「朝読書」を取り入れたり、時間割の中に図書館へ行く時間を設けたりなど、教育現場では様々な工夫がされています。

啓新セミナーでは「読書講座」として「ことばの学校」講座を行っていますが、小中学生の保護者の方のお話を伺うと、学校の「朝読書」以外で本を読んでいる子とそうでない子の差が非常に大きく、読んでいる子は毎日読書していますが、そうでない子は全くで本すら開かないようです。

『読書するだけで国語の成績がUPする』ということではありませんが、日常的に書籍・文字に触れる生活をするかしないかは、「語彙力」に大きな差を生み、その語彙力の差が、知能に大きく影響することは当然のことだと思います。

この本の中で私が特に共感したのが以下の内容です。
「日本語を何不自由なくしゃべっていても、勉強ができない子、知的活動が苦手な子がいくらでもいることからわかるように、知的活動をする際に大事なのは学習言語能力を磨くことである。」

このお話の前段で、「学習言語能力」は「読書」によって身に付けられると述べられています。まさに、その通りかと。日本語を話している子どもたちが国語のテストで全員が満点を取れるわけではありません。日常会話で使用する言語と教科書や様々な文書に使用されている言語は、同じ「日本語」ではありますが、その両者には大きな違いがあります。書かれた文書にしか登場しない言葉は多々ありますし、語彙力を広げるためにはそうした言語に触れる機会ーつまり、読書をするしかないのだと思います。

ちなみに、同様なことが英語の学習でも言えます。以前に長い間海外生活をし、英語がネイティブなみに話せる生徒を指導したことがありますが、その子が英語のテストで満点だったか?というとそうではなく、リスニングもライティング・リーディングも普通の英語を話せない子どもたちよりも少し良いぐらいの得点でした。

また、さらに以下のデータを使って述べられていることには驚きました。
「知能や学業成績の50%程度は遺伝要因で決まるが、あとは家庭環境や学校環境要因によって決まってくる。さらには、知能の50%は遺伝的要因で決まると言っても、知能の領域によって遺伝規定性が異なっているのは興味深い。すなわち、空間性知能に関しては遺伝要因の影響は70%程度ときわめて大きいのに対して、言語性知能に関しては遺伝の影響はわずか15%程度と非常に小さい。(中略)言語知能に関しては、遺伝の影響が15%程度と小さい代わりに、共有環境、つまり家庭環境の影響が60%弱と非常に大きくなっている。」

親が国語が苦手であることと、子どもが苦手であることはちょっとは当たっていますが、基本的には別物だということですよね。親が学生時代に国語を苦手としていても、子どもたちに読書環境をしっかり整えてあげれば、その子の語彙力・読解力は高めることが出来ると言えます。いかに、『環境を整えるか?』これが大事なんですね。

『語彙力』は、学生時代のみならず、大人になってからも生きていく上で必要な力と言えます。梅雨で外に出られない日が多くなるこの時期、将来に必要な力を得るべく、子どもたちには是非読書に励んでもらいたいと思います。