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啓新セミナー

[2021年7月2日]

宿題は何のため?

毎日暑い日が続きますね。小学生の子どもたちは学校帰りに来るので、どの子も顔を真っ赤にしてやってきます。少し前まではエアコンがなくても過ごせましたが、さすがにエアコンを使い始めました。

梅雨の真っ最中、梅雨明け後はどんな暑さになるのやら…と先が思いやられます。この時期は気圧の変化も激しいので、何だか体がふわふわするというか、微妙な頭痛がするというか…体が重い日々です。高温多湿の日が続きますので、子どもたちもご家族の皆様もお体大切にお過ごしください。

部活動の試合も一段落し、また、夏休み直前ということもあってか、中学生さんはしばしのほんわかタイムを満喫しているかのような様子です。そんな彼らに喝を入れるべく日々奮闘しています。
子どもたちは次の定期テストである前期末テストが来月末にあるということを認識できているのかな?と不安になる日々です。

ブログの中で何度も新しい教科書が難しくなっているとのお話をしてきましたが、やはり子どもたちもその難しさを実感しているようです。今まで、教科書本文の和訳をする時に、さほど苦戦しなかった子でも苦しみながら和訳している姿が見られます。ですが、その苦しみから逃げることなく前向きに丁寧に取り組み続けている子は、ここに来てグググっと力を伸ばしてきているのを感じます。

先日、教科書の本文和訳を何人かの宿題に出したのですが…。「見〜た〜な〜」と。

そう!!教科書ガイドを完コピしてきた子がいたのです。残念ながら、ガイドを見て取り組んだか、自分の力で取り組んだかは、私がわかってしまうということを子どもたちは分かっていなかったのでしょうね。日々、子どもたちの宿題や授業内での取り組みを見ているので、どの子がどの程度の語彙力があるのか?また、文章読解力があるのか?を把握しています。ですから、自力でとりくんだかそうでないかは、ばればれです。

「教科書ガイド」=「悪」という訳ではありませんが、「本文を和訳する宿題」が何のためにあるのか?ということを考えず、ただ『楽だから』という理由で写してしまってはその時間は「勉強」ではなく「作業」です。「作業」をいくら積み重ねても学力は決して向上しません。これは、英語のみならず、他の教科でも同様ですし、学校のワークの取り組み方でも同様です。

『分からないから教科書ガイドを見てやった』ーただそれだけの理由なのでしょうが、分からない文に遭遇した時に、「教科書や辞書を駆使して自分なりに日本語訳を書く」という過程が勉強において最も重要です。それが〇か×かはその次のステップの話です。そして、逆に×となることで、自分の考え方・捉え方がどう間違っていたのか?を気付くきっかけを作り、ステップアップできるチャンスを生みます。

英文を理解する上で、必ずしも本文を直訳することが必要か?というとそうではないと思います。にもかかわらず、必ず取り組ませているのは、和訳することを通して、英文の基本的な構造や、よくあるフレーズを理解することを目的としているからです。英文の基本構造であるSVOCを、和訳することを通して、感覚的に理解し、実践できる力をつけていきたいと思っています。

この本文和訳に限らず、私たちが毎週の授業時に子どもたちに課している宿題は、その取り組ませる内容に「意味」があります。単なる『手の運動』のような意味でやみくもに出しているものは一つもありません。子どもたちには、目の前にある宿題に対して、「文字を書き込めばOKであるもの」としてではなく、自分自身が成長するための一歩であるということを理解してもらいたいと思いますし、そう認識して取り組めるよう私たちも根気よく子どもたちに理解してもらえるように声をかけていきたいと思います。