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啓新セミナー

[2021年12月6日]

深く考える

皆様こんにちは、啓新セミナー代表の大谷繁樹です。

算数・数学が苦手な子は、脳が反射的に『簡単な方法』を選択しているように思えます。
例えば『1次方程式の計算』。
「6x=3」を解かせると、瞬時に「x=2」と答えます。
本来ならば、xの係数6で両辺をわらなければならないので、「x=0.5 または 1/2」が正解です。
脳が「3÷6」ではなく、計算しやすい「6÷3」を選択したのだと思います。

先日も6年生の子が『拡大・縮小』を学習していて、「8?は4?の何倍?」と聞くと「2倍」と答えられたので、「じゃあ、8?は6?の何倍?」と聞いてみると、瞬時に「2倍」と答えるのです。
私は一瞬「?」と思ったのですが、おそらくその子の脳は「8÷6」は難しいので「8−6」を選択したのだろうと思います。(それ以降の問題も2倍のまま計算していましたので全滅でした)

「嘘だろう?」と思われるかもしれませんが、小学生に限らず、中学生でも同様のことが多々あります。
脳が反射的に『簡単な方法』を選択している子というのは、
 1.理解が浅い
 2.深く考えていない
 3.図や表を使わず、頭の中だけで答えを出そうとしている
 4.そもそもがめんどくさがり
ということが挙げられます。
小学校1・2年生の算数は、問題文をよく読んで考えなくても、問題文中の2つの数字をたしたり、ひいたり、かけたりすれば答えが出てしまうのですが、おそらくその思考・計算方法が学年が上がっても、ずっと続いているのだと思います。
また、(言葉は悪いですが)よく考えず、目先の数字のみを使って、簡単に答えを出すので、終わるのがすごく速い!
「もう終わったの?」という感じです。(一発で正解することはほとんどありませんが・・・)

問題を見つめて、じーっと固まっているのも困りものですが、深く考えずにポンポン答えが出るのも困りものです。
『深く考えない』のは癖になってしまい、相当意識しないと直すことはできません。
では、『深く考える』習慣を付けるには?
1つの方法として「解答・解説を丸写しする」ことをお勧めします。
深く考えない子は、解答・解説を丸写しさせると、勝手に省略して書いてしまいます。(そもそも、何も言わなければ、サッと読んで「わかった」でおしまいです)
「こういうふうに考えて、こういうふうに書かなければ正解にならないんだよ」というのを体で覚えるのです。
一見無駄に思えるかもしれませんが、こういうことを地道に繰り返しているとそのうち「この書き方ではダメですか?」という質問が出るようになります。
そういう質問が出ればしめたものです。
ちゃんと考えて解答した証拠ですからね。