[2022年10月28日]
こんにちは、金曜日のブログ担当の大谷詠子です。
今日は朝から気持ちの良いお天気ですね。朝晩の冷え込みは厳しいですが、こうして日中、気持ちの良い青空が広がるこの季節は本当に気持ち良いですね。
寒暖差が大きいことや、学校行事などの関係で体調を崩す生徒さんが増えてきました。中学生は定期テストも近いので体調管理に気を付けてお過ごしくださいね。
秋の深まりとともに、学習内容も深く複雑になってきましたね。特に小学生さんの学習を見ていると、学校やクラスによる進度差・学習の深さの差が大きいことに驚く日々です。特に高学年になればなるほど、その差が顕著で、塾でも一人一人の学習スケジュールの調整に四苦八苦しています。
小学生の国語の授業では、それぞれの現時点での学力に応じて授業内容が一人一人違い、ワークも異なるのですが、多くの生徒さんが宿題では学校の教科書に準拠したワークを使用しています。算数と違い、国語では教科書の前から順に授業が進まないことが多く、毎週学校の授業進度を確認しながら進めています。授業では宿題の×直しをし、その後塾の独自テキストを用いて初見文の読解トレーニングという流れなのですが、中には宿題の×直しだけで授業が終わってしまう子もチラホラいます。宿題のワークは書き抜き問題や記号問題ばかりではなく、文章中の傍線部に関する記述問題も多く含まれているため、記述問題が多いと苦戦する生徒さんが多いからです。時には、一つの問題を解くのに5回6回と何度も×直しとなることもあるぐらいです。
答えのポイントとなる部分に目を付けることが出来ていても、その部分を『抜き出すだけ』では答えにならないことが多々あります。それは、「問われ方にあわせた答え方をしていない」からです。問われ方によっては、本文中の表現を別の立場から言い換えなければいけなかったり、文末の処理を工夫したりといくつか答えを作成する時のポイントがあります。学年が上がれば上がるほど、そうした「テクニック」的なものが必要となります。ですから、小学生でも中学生でも、国語の記述問題を苦手とする生徒さんは少なくありません。
どの学年においても、記述問題を含め、国語の読解問題を苦手としている子の多くが、「設問文の趣旨を理解していない」ことが多いです。特に小学生ですと、設問文を正確に読み取れていないことが殆どです。先日も、学級会での討論をまとめた文章を読む問題で、「A〜Eさんの中で理由を質問しているのは誰ですか?」という問題がありました。記述でも書き抜きでもなく、5人の意見を確認し、選ぶという単純な問題ではあるのですが、予想だにしないような答えが次から次へと出てきます。
5択問題ですので、いずれ答えにはいきつくのですが、間違えるたびに毎回、「なぜその人を選んだのか?どの部分が答えの根拠になっているのか?」を確認しました。すると、「『〜でしょうか?』という言葉があったから。」という理由が…。つまり、設問文の後半部分、「質問しているのは誰ですか?」しか目に入っていないのです。設問は、質問者を尋ねているのではなく、「理由」を質問している子を尋ねているのにです。これは、選択問題での例ですが、記述問題でもよくあることです。
国語の読解問題が出来るようになるには、文章全体を読み解く「語彙力」はもちろんですが、設問文の「意図を読み取る」という力がとても重要です。そして、間違えた時に、なぜそのような答えを選ぶもしくは書いたのか?なぜその答えではダメなのか?どのような答え方をするべきなのか?を一つ一つ確認していく必要があります。文章中の言葉の意味をとらえ違いしているのか?設問の意図が分かっていないのか?文末処理の仕方がわかっていないのか?それぞれの「間違えポイント」によって、その後の対処の仕方が違ってきます。その子その子の「間違えポイント」を見つけ、それをつぶしていくーこれはとても時間と手間のかかることで、中には数年かかる子もいます。
国語の読解力UPというのは、本当に手間・時間・根気が必要だと日々実感します。現在、すらすらと宿題ワーク・塾テキストをこなしていく生徒さんも、やはり2〜3年かけて、手間と時間を積み重ね、現在ようやく結果が出てきた、そんな感じです。時には何度も×直しをするのが面倒くさくなり拗ねてしまったり、辛くて泣いてしまったりすることもありました。それを乗り越え、今の学力を手にしました。
国語の読解力UPには、「これ」というようなパターンがありません。一人一人語彙力も違えば感性も違う、経験も違う。だからこそそれぞれの子にあわせた指導が必要だと思います。ある意味、子ども達との「根競べ」のような国語の授業ですが、一人一人の子の結果がでるまで一緒に頑張っていきたいと思います。