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啓新セミナー

[2023年7月10日]

違いがわかる人間になろう

皆様こんにちは、啓新セミナー代表の大谷繁樹です。

算数・数学の授業をしていますと、文章が正確に読めていない子が多いなあという気がします。
先日もある小学生が、「小数第2位を四捨五入してがい数で表しなさい」と「小数第2位までのがい数で表しなさい」の違いが分からずに苦戦していました。
「小数第2位を」と言ったら、小数第2位を四捨五入すればいいですし、「小数第2位まで」と言ったら、小数第3位を四捨五入すればいいのですが、これがなかなか・・・
『がい数』が苦手な子が多いのですが、『がい数』=『四捨五入』ですから、四捨五入さえすればいいのです。でも、このちょっとした言葉遣いの違い(どこを四捨五入すればいいのか?)に戸惑ってしまうのでしょう。

このような間違い(戸惑い)は中学生にもあります。
「4の平方根を求めなさい」と「4を根号(ルート)で表しなさい」の違いが分からない中3生が多い!
「4の平方根」ということは、「平方(2乗)して4になる数」を答えれば良いので、±2となります。
他方、「4を根号を用いて(使って)」ということは、「4を根号で表す」ので、√16となります。
これもちょっとした言葉遣いの違いです。
(『ちょっとした』というよりも、問題が全く違うのですが・・・)

言葉の意味を正確に理解するのは難しいですね。
算数・数学が苦手な子というのは、根本は『問題文が読めない・読まない』『問題文の意味がわからない・わかろうとしない』ことが原因かと思います。
文章の構成、つながりなどをきちんと深く考えながら(自分の言葉で言い換えながら)問題文を読めば、先ほどのような戸惑いはなくなると思うのです。
もちろん、文章が正しく読める=正解できる という訳ではありません。
正解できるかどうかは、「考え方」「解き方」の問題になりますので、ここでやっと我々講師の出番となるのです。

『問題文をきちんと読む』って、簡単そうでなかなかできません。
中学生の定期テストの振り返りを見ても、多くの子が「きちんと問題文を読めばよかった・・・」ということを書いています。
我々大人にしてみれば、「問題文を読まないで問題を解いているの?」と思ってしまいますが、きちんと問題文を読んでいる、読めている子の方が少ないのが現状です。

問題文をきちんと読まない、読めない原因は、小学校の学習にあります。
小学校の算数の授業で、例えば『かけ算』の授業をしているとすると、問題文がどんなに長くても、難しくても、文章中に出てくる2つの数字をかけ算すれば正解できるのです。
問題文の意味なんか考える必要はありません。
(これが4年生ぐらいになると、問題文の意味を考えなければ解けないようになるので、皆さん苦労するのです)
このような数字を拾うだけの読み方(解き方)が身に付いてしまうと、深く読むことがめんどうで、やろうとしなくなり、結果、算数・数学がわからなくなるのです。

これから長い夏休みが始まります。
特に算数が苦手な小学生・中学生の皆さんは、毎日国語の読解問題を解いて、問題文を深く読んで、内容をきちんと理解する練習をしてください。
本屋さんへ行くと、「1日5分でできる読解問題」みたいなワーク(ドリル)が売られていますので、それを活用してください。
また、もし現学年のワーク(ドリル)が難しそうでしたら、1つか2つ下の学年のものでも大丈夫です。
(もちろん、算数・数学の勉強も同時進行でがんばりましょう)