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啓新セミナー

[2023年11月17日]

良い「クセ」・悪い「クセ」

 こんにちは。金曜日ブログ担当の大谷 詠子です。11月も中旬となり、我が家は鍋物・煮込み料理が続く毎日です。煮込み料理と言っても、おしゃれなものではなく、我が家の煮込みと言ったら、やはり「味噌煮込み」です。「味噌煮込み」を大量に食べたい!という私の欲求を満たすための「寸胴鍋」(かなり大きめ)が大活躍しています。鍋物を始め色々な煮込み料理は、体にも良いようですね。寒い日は温かいものを食べて、体の中からあったまりたいと思います。

 各中学校の定期テストの答案返却が始まりました。思うように得点を伸ばすことが出来なかった生徒もいる反面、過去最高の得点を取った生徒もいました。現在、一人一人の答案を見て、どんな問題で〇だったか×だったかの確認作業中です。子ども達の反応は様々ですが、私たちとしては答案を見て「納得」の一言に尽きます。思うよりも高得点を取ってきてびっくりすることはありますが、得点が低い場合はそれほど驚かないというのが正直なところです。

 定期テストの結果は、テスト直前にどれだけ取り組んだか?ではなく、日々の学習の成果です。毎週の宿題がいい加減だったり、小テストの勉強をコツコツしていなかったりでは、結果を出すことは出来ません。ですから、普段の宿題ワークの取り組みを見ていれば、ある程度予想は付くものです。英語に関して言えば、基本的な国語(日本語)の読解能力や文法力が低い生徒は、どの学年においても、1年の後半の内容を正確に理解し問題を解くことが困難になってきます。

 塾の授業の中で、中学英語でも小学英語でも、『教科書の本文を和訳する』ことをさせています。この英文和訳を見れば、英語だけでなく日本語の能力も見ることが出来ます。最近の教科書は「会話形式」のものが多いので、「何となくこんな感じ」である程度理解することは出来ます。しかし、きちんと和訳するとなると、「何となく」では通用しなくなります。英文構造を理解した上で、国文法にのっとった和文を書く必要があるため、日本語の語彙力も必要となってきます。

 私は指導の上で、学年が下がれば下がるほど、「直訳」…英文をそのまま和文にすることを大事にしています。何となくのニュアンスで文章を理解する「クセ」がついてしまわないようにするためです。文章が短いうちは、「何となく」の理解でもそれほど相違ありませんが、高校入試、大学入試となってくると、相当量の英文を正確に理解する必要が出てきます。ちょっとした理解のズレが、文章全体の理解に大きな影響を与えることとなってきます。

 学習は「クセ」がその出来を大きく左右します。例えば、算数や数学で、きちんと式を書かない、なんでもすぐに筆算をするなどの「クセ」がついてしまうと、きちんと式を書いたり図・表を書くのが面倒になってしまいます。英語でも同様で、分からない単語をとばして、わかる単語をつまみ食いして「何となく」で訳すクセがついてしまえば、文章が長くなってきたときに対処できなくなってしまいます。

 夏から秋にかけて、何人かの新入塾生さん達をお迎えしていますが、入塾から数か月は、今までの学習の良くない「クセ」を見つけ出し、その「クセ」を直していくことから指導が始まります。当然、子ども達の中には、今までのやり方から変えなければいけなくなることで、辛く感じたり、一種の拒否反応的なものが出ることが多々あります。加えて、私が「おっかないおばさん」が故の辛さもあるかもしれません。しかし、いずれどの生徒さんも少なくとも高校入試を経験することとなります。その時になって、悪い「クセ」を放置しておけば、思うような進路や結果を得ることが出来なくなります。

 どの学年の生徒さんにおいても、いずれくる高校入試を見据えて指導するーこれが私たちの指導の基本姿勢です。学習における良い「クセ」をつけることが出来るよう、これからも子ども達の悪い「クセ」をきちんと見つけて、どの子も自分が思うような進路に進んでいけるように日々子ども達と向き合っていきたいと思います。