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啓新セミナー

[2024年3月11日]

入試問題を解いてみました

皆様こんにちは、啓新セミナー代表の大谷繁樹です。

3月6日に、公立高校の一般選抜が行われました。
受検生の皆さん、ほんとうにお疲れ様でした。

今回は、入試問題を解いた感想を。
(あくまでも、個人的な感想ですが・・・)

<数学>
例年通りの難しい問題でした。
(予想はついていましたが・・・)
平均点は、今年も50点にいかないのでは?

例年との違いは、
・『標本調査』が初登場。
・証明問題が2題から1題になった。
・会話文形式の問題が出題されなかった。
・規則性の問題が出題されなかった。
でしょうか。

大問別にみていきますと・・・
[1][2]小問集合(基礎基本問題)
「基礎基本問題」と書きましたが、基礎基本問題は、[1](1)〜(5)の計算問題と、[2](1)確率の問題ぐらい。
他は手が出なかった人が多かったのではないでしょうか?
以前は得点源だった『作図』の問題も、ここ何年かは難化していて、かなり練習しないと解けないと思います。
『反比例』『2乗に比例する関数の変化の割合』の問題も、たいした計算もないのですが、問題文の意味や、反比例・変化の割合等の定義がきちんとわかっていないと解けない問題でした。

[3]平面図形(2つの正三角形の重なり)
(1)の面積比、(2)?の三角形の相似の証明は、できた人が多かったのではないでしょうか?
問題は(2)?。
1辺が6?と5?の正三角形が重なっていて、BC//DFなので、重なってできた三角形はすべて正三角形になるので、答えは、6+5=11? となるだけなのですが・・・
はたしてこれに気付いた人がどれだけいたのか?

[4]関数(図形の重なりに関する問題)
昨年に続いて、図形の重なりに関する問題。
よくある問題と言えば問題ですが・・・
あまりにも問題文が長くて、問題文を見た瞬間に戦意喪失した人が多かったのでは?
ポイントは、重なった部分が長方形になり、その長方形の縦の長さは変化せず(一定の値)、横の長さだけが変化する『1次関数』の問題だということに気付いたかどうか?
『1次関数』のグラフは直線になり、直線のグラフは2端点がわかればかけますので、x=0、x=10、x=60、x=70 のときのyの値を求めれば(4)のグラフはかけるのです。
(なぜ、x=0、10、60、70なのかを考えなければいけません。それば難しいのですが・・・)
(5)はよくある2直線の交点を求める問題。Aの面積は、y=100×x y=100x であっさり求まりますが、問題はもう一方の直線の式。(4)のグラフがかけていれば、求めることができるのですが・・・
(4)ができなった人は、(5)もできなかったでしょう。

[5]空間図形に関する問題
(1)(2)はできた人が多かったと思います。
問題は(3)。
これもよくある「AP+PHの長さが最も短くなる・・・」という問題。
この手の問題は、たくさん練習をした人が多かったと思いますので、問題を見た瞬間、「ラッキー」と思った人が多かったと思います。
でも・・・ 
APが通る平面ABCDに気付いても、PHが通る平面BCHEに気付かなかった人が多いのでは?
平面BCHEに気付いた人は、それこそラッキー問題だったかと思いますが、気付かなかった人は手も足も出なかったと思います。
(3)?は三角形の相似比を使って辺の長さを求めるだけですし、?は大きい三角錐の体積から小さい三角錐の体積をひくだけ(計算がちょっと複雑ですが・・・)でいいのです。
(あくまでも、平面BCHEに気付けば、というのが前提ですが・・・)


<理科>
今年は『計算問題』が難しかったですね。
計算問題の出来不出来が、理科の点数を左右したかと思います。
まずは計算公式をきちんと覚えなければならないのですが、今回の入試では、単に公式に当てはめるだけの問題はほとんどなく、複数回計算しなければ答えがでない問題ばかりでした。
また、[4]では、「実験の途中で陽極と陰極を入れ替えた」と書いてありますが、これを見落としてしまった人は、計算云々の前に、問題文の意味がわからなかったのではないでしょうか?
さらに、[8](2)の天体の問題には「8月4日に・・・」と書いてありますが、これは基準となる「7月20日」から数えて15日後、つまり、半月後ということに気付けないと解けない計算問題でした。

理科や社会は、問題文を丁寧に読まなくても、設問を読んで、解答を問題文や図表から「拾ってくる」だけで解けてしまう問題が多いのですが、今年の問題は、しっかり読んで、書かれている内容をきちんと理解、イメージする力がないと解けない問題ばかりでした。


<社会>
『記述問題』は簡単ではなかったのですが、「よくあるね」という問題ばかりでしたので、解けた人が多かったのではないでしょうか?
今年は、昨年出題されなかった『計算問題』が2題出題されていました。
「縮尺を使って実際の正方形の面積を求める問題」と「田の耕地面積の減少率を求める問題」。
難しいと言えば難しいですが、これは完全に小学校(5年生の算数)の問題。
ずっと前からやってきたので、できていて欲しいのですが・・・
『記述問題』と『計算問題』を除けば、きちんと勉強をしていれば、解けた問題ばかりでしたね。
特に、『新潟県統一模試』を定期的に受験していた人は、似たような問題、形式を練習することができて、良かったのではないでしょう?


あくまでも個人的な感想ですので、正答率等の詳細な結果を見なければ何とも言えないのですが、1つ言えることは、『新潟県統一模試』を大いに利用して欲しいということですね。
出題の形式、問題のレベル・内容は、入試問題にそっくりです。
ただ、模試を受験するだけでは意味がありませんので、間違い直しをきちんとやって、定期的に解き直す必要があります。
当塾でも今月、新中学3年生対象の『新潟県統一模試』を実施します。
来年の入試に向けて、とことん活用してください。