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啓新セミナー

[2024年7月8日]

言葉の意味

皆様こんにちは、啓新セミナー代表の大谷繁樹です。

昨日の日曜日は、息子と一緒に高校野球を観にエコスタへ。
高校野球を球場で観るのは初めて。
スピード感や力強さはさすがにプロ野球の選手には劣りますが、高校生らしいはつらつとした思い切ったプレーがとても印象的でした。
加茂高校と新潟青陵高校の試合を観戦しました。
加茂高校の圧勝かと思ったのですが、1つのエラーで流れが一気に変わって、青陵高校のサヨナラ勝ちでした。
力が拮抗していると、勝敗は『流れ』で決まってしまいますね。
暑い中、両校ともお疲れさまです。
高校野球らしい、いい試合をみせてもらいました。


算数・数学の授業をしていますと、文章が正確に読めていない、とらえられていない子が多いなあという気がします。
先日もある小学生が、「『1組(最高点96点)と2組(最高点92点)の算数のテストの最高点を比べたとき、最高点の低いクラスはどちらですか?』という問題の意味がわからない。」と質問してきました。
96点と92点を比べたら、92点の方が低いので、答えは『2組』と答えればいのですが・・・
おそらく、その子の頭の中では、「『最高』で『低い(最低)』って、何のこっちゃ?」となっているのでしょう。

このような質問は、その子に限ったことではなく、他の小学生でも、中学生でも、それに、高校生でも最近よく受けます。
言葉、文章の意味が理解できない、イメージできない子がほんとうに増えましたね。

現在、中学3年生が苦戦しているのが『平方根』。
それこそ、『言葉の意味』が正確にとらえられない子は、お手上げです。
例えば、「9の平方根を求めなさい」と「9を根号(ルート)で表しなさい」の違い。
「9の平方根」ということは、「平方(2乗)して9になる数」を答えれば良いので、±3となります。
一方、「9を根号(ルート)を使って表す」ということは、「9を根号(ルート)使って別の表現をすること」なので、√81となるのです。
これもちょっとした『言葉の意味』の違いです。
(『ちょっとした』というよりも、問題が全く違うのですが・・・)

『言葉の意味』を正確に理解するのは難しいですね。
算数・数学が苦手な子というのは、根本は「問題文が読めない・読まない」「問題文の意味がわからない・わかろうとしない」ことが原因かと思います。
文章の内容をしっかりと、ゆっくりと、自分の言葉で言い換えて、イメージしながら問題文を読めば、先ほどのような戸惑いはなくなると思うのです。

「問題文をきちんと読む」って、簡単そうでなかなかできません。
以前も書きましたが、中学生の定期テストの振り返りを見ても、多くの子が「きちんと問題文を読めばよかった・・・」ということを書いています。
我々大人にしてみれば、「問題文を読まないで問題を解いているの?」と思ってしまいますが、きちんと問題文を読んでいる、読めている子の方が少ないのが現状です。

問題文をきちんと読まない、読めない原因は、小学校の学習にあります。
小学校の算数の授業で、例えば『かけ算』の授業をしているとすると、問題文がどんなに長くても、難しくても、文章中に出てくる2つの数字をかけ算すれば正解できてしまうのです。
問題文の意味なんか考える必要はありません。
(これが4年生ぐらいになると、問題文の意味を考えなければ解けないようになるので、皆さん苦労するのです)

このような数字を拾うだけの読み方(解き方)が身に付いてしまうと、深く読むことがめんどうで、やろうとしなくなり、結果、算数・数学がわからなくなるのです。

これから長い夏休みが始まります。
特に算数が苦手な小学生・中学生の皆さんは、毎日国語の読解問題を解いて、問題文を深く読んで、内容をきちんと理解する練習もしてください。
本屋さんへ行くと、「1日5分でできる読解問題」みたいなワーク(ドリル)が売られていますので、それを活用してください。
(現在の自分の学年よりも1つか2つ下の学年のものでもOKです)

もちろん、算数・数学の勉強も同時進行でがんばりましょう!