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啓新セミナー

[2024年8月30日]

夏期講習を終えて

 こんにちは。金曜日ブログ担当の大谷 詠子です。夏期講習が終わりましたので、このブログも再開です。再びよろしくお願いします。

 今年の新潟の夏は前半は思いのほか過ごしやすかったと感じましたが、後半に入り残暑が厳しいですね。ここ数日は、いつ台風が来るのか心配な毎日です。各地で大きな被害が出ていますが、新学期も始まっているので、子供たちが無事に通学、通塾できることを願っています。

 ようやく夏期講習が終わりましたが、今週末は来週に控えた各中学校の期末テストに向けた特別授業です。この夏休みに取り組んできた勉強の総仕上げとして最後にもうひと頑張りしてくれるのを期待したいと思います。

 夏期講習中、中学生は定期テストに向けて各教科取り組んできました。この時期のテストでは国語では「戦争」にまつわる教材が範囲となっています。広島、長崎に原爆が投下された日には、戦争に関するテレビ番組が放送され、新聞でも戦争に関する話題が多く掲載されていました。自分の子供のころを思い返してみると、「火垂るの墓」や「はだしのゲン」などの映画がよく放送されていたので、夏休みの間に「戦争」というものに関する情報に否が応でも多く触れる機会がありました。

 そうした経験からか、国語の教科書に出てくる、「大人になれなかった弟たちに…」や「字のない葉書」などを読んでも、そのお話の情景がそれほど苦労しなくてもイメージできました。

 しかし、最近では、そういった映画が放送されることも少なくなり、戦争に関するお話や情報は、自分から進んで得ようとすることが必要です。テスト対策をしていても、

<問題>文章中から当時の人々が夜も不便な生活をしていることがわかる部分を抜き出しなさい。(中2範囲 「字のない葉書」より)

<解答>暗幕を垂らした電灯の下

といった問題では、「暗幕」とは何か?「暗幕を垂らす」とはどういうことか?なぜそんなことをしなければならないのか?など、子どもたちには、問題そのものというより、その当時の状況をイメージすることすら難しいようです。また、

<問題>着物がなくなったということはひろゆきにとってどういうことを意味するか?(中1範囲 「大人になれなかった弟たちに…」より)

<解答>ヤギの乳と交換するための着物がなくなり、ひろゆきの食べ物が手に入らなくなること。

では、「着物がなくなる=ヤギの乳と交換する」という状況の意味が分からないと、ほとんどの生徒から質問があがりました。さらに、「終戦の年」=昭和20年、というのを知らない子が多くいたのには本当に驚かされました。国語の勉強以前の問題かと。

 中学生ぐらいになると、国語だけでなく英語でも、様々な歴史的事実や社会的問題、理科的知識を必要とする事柄などが題材となる文章を目にする機会が増えます。そうした文章を読み解くためには、ただ、国語・英語といった教科の勉強をするだけでなく、様々な情報に多く触れることが必要となってきます。少なくとも、子どもたちには、自分の国が経験した悲惨な体験にまつわることは知っておいて欲しいなと深く思った夏期講習でした。