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啓新セミナー

[2024年11月1日]

「ごんぎつね」からの発見

 こんにちは。金曜日ブログ担当の大谷 詠子です。11月に入りましたね。今日は1日でしたので白山神社と鳥屋野神社に月参りに行ってきました。

 午前中は秋晴れの気持ちの良いお天気でしたので、いつもの1日よりも参拝客が多かったように感じました。七五三参りの着物を着た子供たちも何人かいたのが、とても可愛らしかったです。やはりパワースポットと言われるだけあって、白山様に行くとちょっと気分がスッキリしますね。今月も日々、無事に過ごせることを願っています。

 今週の小学生の授業でここ数年の謎が解けた!と感じたことがありました。

 小学4年生の国語では「ごんぎつね」を学習します。そのワークの中に毎年どの生徒も苦戦する問題があります。

「ひがん花が、赤いきれのようにさき続いていました。」(小学4年生教科書『ごんぎつね』より)

問題・・・「赤いきれのように」とありますが、何のどんな様子をたとえたものですか?

模範解答・・・(例)赤いひがん花が一面にさいている様子。

 「」の前後を読めば、それほど難解な問題だとは思えないのですが、どの子もなかなか解けないのかが毎年の謎でした。それが今週、子どもたちの解答を見て、謎が解けたと思いました。解けない理由は、

?「きれ」「さき続く」という言葉の意味がわからない。

?設問文の「たとえ」という言葉の意味がわからない。

?「ひがん花」を知らないため、情景がイメージできない。

の3つの事がカギとなっていたようです。「さき続く」や「ひがん花」を知らないというのは分からないでもないのですが、さすがに「きれ」という言葉の意味が分からないというのは驚きでした。「きれ」にたとえた内容を尋ねているのですから、「きれ」そのものが何かを知らなければ解くのは難しいですよね。さすがに「きれ」という言葉ぐらいは知っていると思ってしまっていました。

 年々、こちらが思っている以上に言葉の意味を知らない子が増えてきているように思います。「語彙力がない」と言ってしまえばそれまでなのですが、その語彙力のなさのレベルが異次元というか何というか。

 長年、この仕事をしているので、「この言葉は知らないだろうな」というのが経験値としてありますが、その予想をはるかに超える状態に出会う機会が増えてきました。中には、「この子は教科書を半分も理解できていないのでは?」と思うことさえあります。

 どの教科においても教科書の内容が分からなければ問題を解くというスタート地点に立つのは難しいものです。国語の勉強は奥が深く、一朝一夕には実力が付きにくく、ましてやテストで得点を上げるとなると年単位での地道な積み重ねが必要となってきます。だからこそ、国語学習の躓きを少しでも早く見つけてあげることは必要だと思いました。