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啓新セミナー

[2024年11月15日]

答案用紙から分かること

 こんにちは。金曜日ブログ担当の大谷 詠子です。11月も中旬となり、冬が刻々と迫ってきているのを感じる毎日ですね。間もなく長い冬が始まります。塾屋としてはここから春までが正念場。私立高校の出願、私立高校入試、大学入試の共通テスト、公立高校出願、私立大学入試、国公立大学の二次試験、公立高校入試と、こうしてこれからの入試関連の予定を書きだしているだけで、目が回りそうです。長い冬を乗り越え、素敵な春を迎えることが出来るよう、子どもたちとともに励んでいきたいと思います。

 少しずつ、先日行われた中学の中間テスト結果が出始めました。テスト結果が出るたびに思い出すのが、野球監督だった故野村克也氏の座右の銘、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉です。定期テストの結果だけでなく入試においても、まさにその通りだなといつも思います。

 今回の結果を見ても、この言葉通り、おおよそ、テスト直前に予想した得点域の結果となっていました。ま、中には「不思議の勝ち」となった結果もありましたが、思うように得点を伸ばせていなかったり、目標点数に足りていなかったりした結果というのは予想通りでしたね。

 定期テストでは、テスト前に「努力すれば必ず得点できる問題」というのが各教科数問出題されます。国語の漢字、英語の単語がそれにあたります。全ての教科の基本問題が「努力すれば得点できる問題」という訳ではありません。数学の計算は、小学校からの計算力や基本公式の知識が必要ですし、理科や社会の一問一答問題などはその用語の意味やそれにまつわる事象などを理解していなければ解けません。

 しかし、単語と漢字は別物です。ひたすら手を使って練習するという、ある意味修行のような努力をすれば得点できます。もっと言うと、満点取れる問題です。ここにおいては、やはり何が何でも得点するべきです。こうした問題でたとえ数点でも得点を落としていれば、やはり「きちんと努力をしなかった」と言えると思います。こうした問題の出来具合を見れば、日頃からの家庭学習がどのようであったかを推して知ることが出来ます。

 ただし、漢字の学習において気をつけなければいけないことがあります。修行のように漢字を書きまくっていても得点できないからです。漢字練習をきちんとしているのに毎回得点できないという子が多くいますが、そういう子は間違いなく勉強方法を間違えています。漢字というのは一文字一文字に意味があり、熟語にもまた意味があります。言葉の意味を知らず考えず、ひたすら「書くだけ」では、数字を何万桁も書き続けていることと変わりありません。

 「とにかく書いて覚えろ!」というのは、その言葉の意味を知っているということが大前提です。つまり、意味も読み方も調べずに「ひたすら書く」という行為には何の意味も無いということです。意味の知らない言葉をひたすら書いても覚えることが出来ないのは、大人でも同じでしょう。私たちが意味も読み方も知らない外国語を書いて覚えろ!と言われて出来るかどうかを考えてみてください。

 テストの結果が出るとどうしても、全体の得点に目がいきますが、きちんと取らなければいところで取れているのか?をしっかり確認することが肝心です。数学で計算も出来ていないのに応用問題が解けていない!と目くじらをたてるのは筋違いです。また、どんな間違えをしているかを確認することも大切です。理科や社会などでは、全く見当違いの言葉を書いていたらどうしてそのような答えが出てきたのかを検証しておく必要があります。

 テスト結果がすべて出そろったら、子どもたちには今回のテストの振り返りシートを書いてもらいます。各教科、どんな取り組みをしたのか、次のテストに向けてどうしたらよいかを、子どもたち自身に考えてもらい次につなげていきたいと思います。