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啓新セミナー

[2025年10月17日]

素直に聞く

 こんにちは。金曜日ブログ担当の大谷 詠子です。十月も半ばを過ぎ、白鳥の初飛来のニュースがありましたね。一昨日の晩も、授業後に仕事をしていると白鳥の鳴き声を聞きました。この鳴き声を聞くと、冬の訪れを感じますね。

 私の地元は白鳥が飛来しないので、白鳥で季節の移ろいを感じられるのは良いものですね。とは言っても、寒くて長い冬がすぐそこまで来ているのかと思うと、ちょっと憂鬱です。残り少ない秋をもう少し満喫したいと思います。

 早いもので、中学生の後期中間テストの特別授業が日曜日から始まります。前期期末から後期中間の期間は本当に短いですね。中学3年生にとっては内申点に加算される最後のテストです。「あれをしておけば良かった」「これも出来たのではないか」と後になって後悔することがないよう、日々の学習を大事にしてもらいたいと思います。

 中学3年生の英語は今回のテストで分詞・関係代名詞が範囲となってきます。この単元は中学英語の集大成ともいえる内容です。基本的な英文構造が理解できていること、国文法における言葉の係り受け(修飾・被修飾の関係)が理解できていることが大前提となってくるものなので、どの子もとても苦労しています。

 高校英語は中学英語がベースとなっているため、この2つの文法は当然ながら高校でも学習します。高校になると、この2つがさらに発展し、関係代名詞だけでなく関係副詞、複合関係代名詞なども登場します。いずれにしても中学でマスター出来ていなければ高校でも苦戦すること間違いなしです。実際に、現在高校1年生も2年生も分詞や関係詞を学習していますが、スムーズに理解できる子はなかなかいません。

 授業で子供たちを見ていると、苦戦しながらもなんとか前進していける子と、ず〜っと糸がこんがらかったままの子と出てきます。元々の国語力・英語力の違いもありますが、その両者には「言われたことを言われた通りに素直に出来るかどうか」という要素も大きく影響しているように感じます。

 分詞・関係代名詞、どちらにおいても、文構造が複雑なので、英作文は勿論のこと、整序問題(言葉の並べ替え問題)でも一筋縄ではいきません。

例えば、【私のものよりも良いそのカメラは私の兄のものです。】を英作文するのならば、
?日本文の主語と述語を確認する。
 …そのカメラはー私の兄のものです。=The camera is my brother's.

?修飾語のかたまりを見つける。
 …私のものより良い=that is better than mine

?修飾語がどの言葉を修飾しているかを確認する。
 …私のものより良い→そのカメラ

?修飾語と修飾される語を合体する。
 …the camera that is better than mine

?全体を合体する。
 …The camera that is better than mine is my bother's.

というよう、順をおって取り組んでいく必要があります。問題文に印をつけるなど工夫して、まずは部分(パーツ)を作り、合体させることで精度が上がります。

 何度かそのように指示を出すのですが、一つ一つの問題でこれをするとなると結構手間がかかります。しかし、その手間を言われたとおりに素直にする子は、多少てこずっても比較的早く正解にたどり着けますが、面倒がる子は何分経っても出来ずに終わってしまいます。

 この先もずっとこれだけの手間をかけて解くということではなく、今はまだ習い始めなのでしっかり手間をかけて覚えなければいけない段階なので、しっかり手間をかけて欲しいのですが、だされた指示を素直に聞いて実践できることそうでない子の差は大きく広がっていきます。これは、この文法事項だけでなく、学集全てにおいて言えます。

 人の話を素直に聞くことが出来るというのも1つの力と言えます。特に学習においては言われたやり方を言われたとおりに出来るかどうかは学力伸長に大きく影響します。面倒くさいという小さな理由で、自分が伸びるチャンスをつぶしてしまわないよう、子どもたちには是非「素直に聞く力」を身に着けてほしいものです。