[2011年11月4日]
皆さんは『重点校』という言葉を聞いたことがありますか?私は先日のニュースで初めて聞いた言葉でした。『重点校』とは、中国が国をあげて、特別に優秀な人材を育成するために作った学校のことです。
小学校から大学まであり、教師の質が高く、立派な施設で徹底した選抜教育をする。入学するためには試験があり、その狭き門をくぐるために一族一丸となって子どもが幼少期より取り組むそうです。入学試験合格までの取り組みは日本の「お受験」をはるかに凌ぐ学習量。さらに『重点校』に入ってからの学習量も日本の学校とは比べ物にならない量でした。授業時間も早朝から夜までと、あまりの勉強ぶりに驚きました。やはり「国際学力調査」で上海が1位となったのは当然の結果だと感じました。
重点校に通う中・高生の様子が出ていたのですが、一般的な教科内容はもちろんのこと、語学教育も徹底されているようで、流暢な日本語でインタビューにこたえていました。日本の現代作家の小説を読み、日本の文化についても語る、はては演歌まで歌う。数学では東大入試の問題を高校2年生が難なく解く。その学力の高さに舌をまきました。
また、重点校で学ぶのは北京大学に入ることを目標にしている学生ばかりではなく、日本やアメリカの大学への留学を目指している学生も多いようです。世界的に経済界・産業界でどんどん成長し続ける中国では、学生たちの視線の先にも世界が見えていることを感じました。
いつの日か、彼らと関わりあいながら生活していかなければいけなくなるだろう今の子どもたち。渡りあっていけるだけの「力」が求められるのは確実です。
来春から中学生の教科書が改訂されます。英語では現行教科書が3年間の学習単語数が900語程度であるのに対し、新教科書はどの会社のものも1200語程度となっています。英語だけでなくどの教科も学習量が一気に増加します。勉強の道具である教科書が変わるということは、当然それを使って学習する側である子どもたちも学習に対する意識と姿勢を変えることが求められます。
身近な国では今の日本から見たらびっくりするぐらいたくさん学習をしている学生たちがたくさんいることを、子どもたちにも是非知ってもらいたいと思います。そして自分たちの学習に対する意識と行動はどうか?を考えて欲しいと思いました。