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啓新セミナー

[2012年7月6日]

「何もしない」という名札のかかった家

今月の一言の担当は私、うたこです。
今月は・・・

「そのうちやる」という名の通りを歩いて行き、行き着くところは「なにもしない」という名札のかかった家である。

セルバンテス(スペインの作家)

です。この言葉に出会ったとき、グサッときましたね。自分自身もこの「そのうちやる」という言葉や、「あとでやる」という言葉をよく使っていたからです。でもこの言葉のとおりで、「そのうち〜」や「あとで〜」と言うときって、その時には「何もしない」んですよね。つまり、「そのうちやる」=「今は何もやらない」ってことです。

ものごとには何にでもタイミングがあります。その時その時のタイミングで「『今』やらなければいけないこと」があると思います。社会人になると、そのタイミング一つで信用を失うこともあります。一つ一つの物事の『今』はいつなのか?というのをしっかり掴んで、「なにもしない」という名札のかかった家に行かないようにしなければいけませんね。

また、学習においても学ぶべき時期というものがあると思います。九九や漢字、単語、地名など何にでも覚える時期というものがあると思います。そのタイミングを逃して「しまった!!」と気づいてやり直すことは出来ます。しかし、そのやるべき時期を過ぎてからそこまで戻ってやり直すときは適切な時期で学ぶときの数倍の苦しみが伴います。

例えば、中学3年生になってから英単語を一から覚えなおすというのは並大抵のことではありません。これが中1の始めならば覚える数もそんなに多くないし、何よりも新しく学習する教科として興味をもってのぞめます。しかし、中3にまでなると、その段階で既に1000に近い数の単語を学習し終わっていて、しかも学習してきた数々の英文法がこんがらかっている状態で戻らなければいけないのです。苦痛以外の何物でもないですよね。

山登りで言うならば、8合目付近にいる状態から登山口に戻って登り直すのと同じです。そこに行くまでの道のりの辛さが分かる分だけ、より辛さが増すというものです。確かに戻ってやることはいくらでもできますが、どちらにしてもやらなければいけないことは決まってます。「あと」にするのか「今」するのか?生徒の皆さんにはよ〜く考えてほしいと思います。


長い長い夏休みが今月末から始まります。皆さんにとって絶好のタイミングがやってくるのです。それぞれの学習における『今』というタイミングを見極めて「そのうちやる」ではなくやるべき時「そのときにやる」を大切にしてください。