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啓新セミナー

[2013年4月19日]

他人の目

新学期の授業が始まっておよそ3週間が経ちました。英語の授業ではほぼ毎回、単語や教科書の本文テストを行うのですが、新中1生や新しく塾に来た中2・3生、どの子も教科書の本文丸暗記というテストに苦労していますが、どの子も一生懸命取り組んでいます。2・3年生になると英語に対する苦手意識もあり『覚える』という作業自体が苦痛なようですが、この苦行を乗り越えることが大切です。楽してできるようになる教科はありません。ましてや苦手だと思っている教科をできるようにするにはある程度の苦痛が伴います。頑張って乗り越えて欲しいと思います。


中3生は定期テストの対策のための教材以外に中1・2の総復習のためのワークも宿題として出しています。英数だけでなく5教科ですので2年生までと比べても一気に宿題の量が増えたため大変そうです。勉強は運動と同じで、慣れるまではキツク感じます。しかしそのキツイなぁ〜と思う時期を乗り越えれば学習のリズムが出来て入試に向かって走っていく体力が出来てきます。今が正念場!!頑張っていきましょうね。


先日の授業中のことです。1・2年の復習ワークはノートにやることになっていますが、そのノートの使い方である生徒から『自分的にはこっちのやり方の方がやりやすくて、見やすい』と言われました。私たちの方からノートの使い方を指示しているのですが、そのやり方ではなく『自分流』のやり方の方が良いというのです。しかし、残念ながらその子の言うやり方ではどの単元のどの問題が出来なくて、できなかった問題をどうやり直したかがよくわからない状態のノートとなっていました。多分その子からすれば分かっているのでしょうが、他人から見たらよくわからない状態なのです。しかも、結局その子自身もどうやり直したかがよくわかっていませんでした。これでは何のためのノートか分かりません。

その子からしてみれば不本意というか理不尽に思ったかもしれませんが、『言われたとおりにやってくるように』と厳し〜く言いました。

スポーツと同じで『自分流』でのやり方ではそれなりに力はつくかもしれませんが、伸びるまでに時間がかかりすぎてしまったり効率が悪かったりとよくないことが多くあります。ましてや入試までは時間が限られています。その限られた時間の中で新しいことを吸収しなおかつ過去の学習内容を復習しなければいけません。私たち塾の講師は受験のプロです。プロの目から見てこのやり方の方が効率よく定着度も高いと思われるやり方を提案しているのです。そのやり方を無視して自分流でやることは確実にゴールから遠のいていくことになります。

また、入試の答案用紙は他人が見るものです。【自分的に見やすい】ではダメなんです。【誰から見ても見やすい】ということが大切です。つまり『他人の目を意識した勉強をする』ということが大切なんです。

まだ中学生とはいえそれなりに自分の流儀をもっているので、それを変えるということはとても大変なことだと思います。受験勉強は単に知識を詰め込めば良いというものではなく、それまでの自分のスタイルをいかに崩してより良いと言われるやり方を習得できるかです。例え不本意でも他人の言うベストなやり方というものに耳を傾け実践できるかどうかは『我慢する心』と『素直な心』が必要です。だから受験を乗り越えた子どもたちは一回りも二回りの大きく成長するのだと思います。


『自分流』を確立するためには、まずベストと言われる方法を模倣することからです。今は『なんで?』と思うことが多々あるかと思いますが一つ一つ実践していくことです。私たちは皆さん一人一人の目指すべきゴールと現状を見て一生懸命やり方を考えています。残り11カ月は長いようで短いものです。1日1日を大切にしながら一緒に頑張っていきましょう。