[2013年9月13日]
前期期末テストを来週に控え、テスト対策授業を行っている毎日です。今週末の3連休は朝10時から対策授業を行い、テスト範囲の内容をきっちりびっちり仕上げていきます。運動会後の疲れのせいか、私たちの気合に押され気味の子どもたちですが、頑張って取り組んでいます。結果が出るように最後までガッチリ指導していきたいと思います(^O^)/
2020年のオリンピック開催地が東京に決まりました。世界的な催しが身近なところで開催されることは子どもたちにとって良い経験をする機会になると思います。これからの7年、わくわくしながら過ごすことができるなんて本当に素敵ですね。夏のオリンピックは夏期講習の真っ最中ですが、何とか見に行きたいと思いました(*^。^*)
さて、このように国際的な行事が開催される事が決まると必ずと言っていいほど、『英会話』学習の必要性が問われます。確かに今の時代、英語力は必要です。英会話が出来るか出来ないかは特に今の子どもたちが大人になる頃には今以上に重要視されるでしょう。しかし、だからこそ私は今の小中学生にはしっかりと『国語』を学んでほしいと思います。
先日の授業のことです。
The displays make many people upset.という文を日本語訳していた生徒が質問しました。
「『動転する』って何ですか?」
と。この文を直訳すると、「展示資料は多くの人々を動転させます。」となります。つまり、「展示資料を見ると多くの人たちは動揺します。」ということです。
教科書巻末の辞書にupsetの意味が「気が動転した」と載っているのです。ですから、その子の書いた直訳は正しいのですが、訳すことは出来てても訳した言葉の意味が分からないのです。それではこの話の内容を正しく理解することは出来ません。英文が書けた、話せた、読めた―でも意味はよく分からない。これでは何のための言葉でしょうか?
本来、英語でも日本語でも、言葉というのは意志を伝えあうための手段の一つです。ただ話せるだけでは意味のないものではないでしょうか?伝える中身があってこそ「言葉」だと思います。母語が日本語である私たちが日本語の意味をしっかり理解しない状態で何を伝えるのでしょうか。
この生徒の質問のあと、不安になり何人かに「動転する」の意味が分かるかを確認しました。やはり、よく意味が分かっていない生徒が他にもいました。その子たちも英文を日本文に訳すことはちゃんと出来ていました。その文章に関する問題もちゃんと解けていました。しかし、ここに更に大きな問題を感じました。
わからない言葉があったにも関わらず、その言葉が分からなかったことが気になっていないのです。よく意味が分からに言葉があった―でも気にしない。問題解けたし良いでしょう?そんな様子です。
今の子ども達の多くに共通することです。『この言葉の意味、はっきりわかるわけじゃないけど、何となく分かるし、まあいいや』という感じでわからない言葉が出てきても辞書を引くどころか自分がきちんと理解していないことも把握できていないことが多々あります。何となくこんな感じ・・・でOKと思っているので、よくよく聞いてみると全く違う意味でとらえていることも少なくありません。「一つ一つの言葉を丁寧に理解しようとする」姿勢を大切にしていないと感じます。
そもそも「言葉」は文化と密接な関係を持ち、日本語には日本語の独特の言い回しや言葉が多くあります。これは世界のどの言語でも同様です。自国の言語の持つ正しい意味や使い方をきちんと理解しないで他国の言語を理解しマスターすることは困難でしょうし、ましてや自分の意思を正しく伝えるなんてことは出来ないのではないでしょうか。
先日のオリンピック招致のプレゼンテーションを見て、たとえ流ちょうな発音でなくても伝えたい「言葉」を持つ人の話は人々に通じ、心に響くものだと感じました。まずはしっかりとした「言葉」を持つことが大切です。そのためにも、子どもたちにはもっと一生懸命に『国語』の学習をさせる必要があると思います。