[2014年5月30日]
今日も暑いですね〜(^_^;)。先週のブログでは「寒い!」と書いていたのに今週は一転、暑い!一気に夏が来たような天気で体にこたえます。体調に気を付けて過ごしたいですね。
ここ最近は中学生の授業についてばかりだったので、今週は小学生の授業の様子を伝えたいと思います。
小学生の国語の授業は、学年に応じてではなく、習熟度に応じた内容の級からスタートしてどんどん進級していくスタイルで進めています。教材内容はそれぞれの級で「説明文・物語文・詩」があり、説明文・物語文では1つの文章を4〜6分割してそれぞれの場面で語句・文法・読解問題を解くような内容となっています。
各場面に「あらすじシート」があるのですが、一人ひとりの習熟度に合わせ、あらすじをまとめさせる子もいれば、書写をさせる子もいます。大体の場合が、何か月か経ち、読み取りの力がついてくるとあらすじまとめをさせるようにしています。この「あらすじシート」を添削していると、それぞれの子の読解力や記述力の弱点が見えてきます。先週のブログで中学生の記述問力に触れましたが、小学生でも同じことが言えます。国語の力は一人ひとり違いますし、一人の子でも文章のジャンルによって得意・苦手の違いもあるため、一概に分類することは難しいのですが、記述に必要な力のうち何が不足しているのかによって、出来上がる文章に違いが出ます。
語彙力が足りない子だと、文章中のそれらしい言葉(多くの場合が難しそうに思える熟語など)をつなぎ合わせて文をまとめています。意味を把握して書いていないため、文全体で何を言っているのかよく分からない文章になっています。書いた本人もそれなりにまとまった文章を書いたにも関わらず、よく意味が分かっていません。語彙力はあるけれど記述する力が弱い子だと、文章全体のポイントはおさえてはいるものの、「てにをは」がおかしかったり、接続語の使い方が適切でないため、言いたいことは分かるけれども、まとまっていない文章になります。
大人が読んだときに、どちらも「なんだこりゃ?」という文章であることに違いはないのですが、それぞれの場合でその後の学習方法や内容を変えていく必要があります。
昨年から来ているある生徒は、国語は嫌いではなくどちらかというと好きな子です。しかし、問題を解かせてみると文章をきちんと読むことが出来ておらず、また、解答の基本的な作り方も出来ていませんでした。性格は頑張り屋さんではあるのですが、あきらめが早いタイプのため、学校で一つ一つ噛み砕いて説明してもらい何度も触れる文章に対してはきちんと理解できるようです。しかし、そうではない初見文になると、文章のテーマが好きな分野だと頑張ろうと思って取り組むため答え方の細かい間違い程度なのですが、あまり興味のない分野の話だったり、苦手なジャンルの文章だとすぐにあきらめてしまい、取りあえず「解答欄をうめる」だけの“作業”のように取り組んでいました。
約1年間、当該学年の内容より少し戻した易しめの問題を選定し、あらゆるジャンルの様々なテーマの文章題に取り組んできました。毎回、記述中心の課題を添削し、マルになるまで解き直しをしたり、語句の意味調べ、書写をさせたりました。正しい文を書けるようになるには、正しい文というものに多く触れることが必要です。読むだけではなく、実際に書いて触れさせたいと思い書写に取り組んできました。今年の春先から第2ステージとして「あらすじまとめ」を始めました。全ての文章で毎回という訳ではありませんが、ここ最近のその子の「あらすじシート」はポイントがおさえられ、適切な言葉遣いでまとめられるようになってきました。ものすごい劇的な変化というわけではありませんが、その子の成長を確かに感じます。毎回の添削がとても楽しみです。
国語の学習では、テストの得点のように目に見える成果となるまでに、とても時間がかかります。この子のように変化の兆しが出るまでに1年近くかかる子が殆どです。どの教科の学習でもいえることですが、諦めずに一歩ずつ進んで行くことが望む結果を得るためには必要なんでしょうね。先日もある中学生が1学期中間テストの国語で90点をとってきました。国語が苦手で入塾した子です。ここまで来るのにかかった時間は、2年でした。これからも一歩ずつを大切に子どもたちと歩んでいきたいと思います。