[2014年10月3日]
早いものでもう10月!小中学校も間もなく前期の授業が終了です。今年も残りあと3か月、今年度はあと半年となりました。中学生は前期期末テストの結果が出そろい、テストに対する振り返りシートの作成が終わったため、現在振り返り面談を全員実施している最中です。前期で行ってきた取り組みの良かった点、今後の改善点を確認し後期には更なるステップアップすることが狙いです。特に中2生に対しては、そろそろ将来の進路・志望校などを考え始めるように話しています。中学3年間はあっという間です。1日1日が自分たちの目標につながる一歩となるように今後も指導していきたいと思います。
さて、現在中1の数学では1次方程式の学習をしています。その問題演習の中で、どの生徒も同じ問題にひっかかっています。
<問題>ともこさんは果物屋さんでみかんを30個買いました。しかし考えなおして、みかんを10個を返して150円のりんごを3個買い、おつりを50円もらいました。みかん1個の値段はいくらですか。
たいていの生徒が、【出した金額】-【代金の合計】=【おつり】というルールはわかっているので、とりあえず始めの文の「みかん30個買いました」から30xを書くのですが、そこでとまってしまいます。「しかし」から始まる2文目の内容が表す状況がイメージできず、取りあえず出てくる数字を足したり引いたりする式を作るのですが、当然のことながら答えが出ず『わかりません』とギブアップです。
これは数学の問題でギブアップしているのではなく、国語の読解力に問題があるからこうなっているのだと思います。文章を読んでイメージすることができないため立式できずとまってしまっているのです。数学で出てくる文章は国語の文章問題のような長文ではありません。特に中1ぐらいの数学の文章題はせいぜい2〜3行、長くても4〜5行の文章です。このぐらいの文章をきちんと読み解き、立式できなければ問題を解くためのスタート地点にたつことはできません。こうした生徒の様子を見ていると国語の学習が全ての学習の基本であることを再認識させられます。
ただ、少し国語の読解と数学の読解で違うところは、国語の場合は文章全体の包括的な把握が必要となりますが、数学の場合は一文毎、もしくは、一つの文の句点までの内容を正しくイメージできればよいのです。そして、そのイメージした内容を図表化することを出来るようにする必要があります。
こうしたトレーニングは中学になってからだとなかなか難しいようです。当然のことながら内容が難しくなってくるため、図表化しようにも複雑な場合がよくあります。中学生になって初めてそれをすることは、かなり難しく感じるようです。やはり小学生のうちの学習をどのようにしてきたか?は大きいのだと思います。出来るだけ早い段階から文を読んで図表化するトレーニングを積んできている生徒は、例で取り上げた問題を解くときも図をかいてみたり表にまとめてみたりと工夫して取り組み答えを導くことができます。
私たちの授業では小学生のうちからこの「図表化する」ことに重点をおいて指導していますが、学年が低ければ低いほど、内容自体が複雑でないため生徒も「楽しんで」取り組んでいます。子どもにすれば「お絵かき」感覚なのでしょうね。「楽しい」という感覚で勉強し、それが習慣化できると内容が複雑になっても自然と図表化することができるようになるため、中学に入り算数が数学になっても同じように取り組むことができるのだと思います。
スポーツでも勉強でも段階があります。始めの方の段階でしっかりそれぞれの「方法」が身に付けられるかどうかは、その後の成果に大きな影響を及ぼします。とりわけ勉強においては小学生の間にどれだけ基礎的な学習能力を身に付けられたかは大きいと思われます。毎日学習する「習慣付け」と、基本的な学習である「読み・書き(描き)・そろばん(計算)」を大切にすることが肝心だと思いました。