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啓新セミナー

[2016年2月19日]

かれぎしって??

2月も中旬を過ぎ、暖かかったり、グッと冷え込んだりと天候が落ち着かない日々ですが、お日様の出ている時間はどんどん長くなっていますね。一歩ずつ春に近づいているんですね。子どもが幼稚園に通い出してからは日々の天気や気温が以前より気になり、天気予報は欠かさずチェックするようになりました。今日は昨日より少し暖かいようですが、体感温度は殆どかわりませんね。早く暖かくなってほしい!!と思う毎日です。

今週から小学生全員に「語い力診断テスト」を行っています。小学2年生から6年生までの教科書に出てくる言葉の意味を問う内容のテストです。どの学年の生徒にやらせても小学2年生の言葉はほぼ満点なのですが、小学3年生以上の言葉になるとばらつきがでてきます。小5レベルの言葉を知っている低学年生がいれば、小3レベルの言葉の意味が分からない高学年生もいます。また、診断結果と、授業中の理解度には密接な関係があることがわかります。やはり、語い力の高い子の方が理解度が高いです。

しかし、学力の上下というのは、『言葉の理解度』だけではなく、集中度や我慢度など様々な要素が絡み合って決まってきます。ですから、単純に【語い力が高い=学力が高い】とは言い切れませんが、文字に書いてあるものでも耳から聞くものでもどちらにしても。「言葉の理解度」がより高い方が学力は伸びます。今回の診断結果を見て、改めて語い力をつけさせることの重要性を感じました。


そんなことを思っていた矢先に・・・
昨日中学生の授業で「彼岸」という漢字を「かれがん」「かれぎし」と読む生徒がいました。「お彼岸」という言葉自体、聞いたことがないようです。天気予報で気象予報士や司会者の方などが、『暑さ寒さも彼岸までですよね〜」と言われるのが多いこの時季、イマドキの子どもたちにとっては「天気予報」に出てくる言葉さえも『???』ということがあるのでしょうね。

この「彼岸」という言葉が読めない中学生は最近だけではありません。しかし、彼らが大人になった時に「彼岸」が読めないようでは生きていけるかもしれませんが、『恥ずかしい』思いはするでしょう。『彼岸』の意味を正確にガッチリ説明することはできなくても、せめても漢字を読むことぐらいは『一般教養』もしくは『常識』と言われてしまうこともあるかと思います。小中学生のうちに学んだ事柄というの殆どは『一般教養』としてくくられていることが多いですね。子どもたちは、『三角形の面積を求める公式を大人になって使うのか?』など学習の内容を大人になって使うかどうかを気にしますが、使うか使わないかというより、知っていることが当たり前かどうか、ということだと思います。


より多くの言葉や事柄を知っていると様々な場面で役立つことが多くありますし、情報や言葉の引き出しが多い人との会話はとても楽しいものです。子どもたちが大人になっていく過程で、学力を向上させていくことは大切だと思いますが、それと同時に彼らが今やっている学習は『魅力ある大人』になる準備でもあります。子どもたちは【勉強=嫌なこと・面倒なこと】と思うことが多いのでしょうが、一つ一つの今の学習を大切にして、魅力ある大人へと成長していってほしいと思います。