[2016年4月22日]
今日は雨もあがり、春らしいお天気ですね。暖かな日差しが嬉しい季節ですが、今朝のお天気ニュースでは今年は季節の進みが速いそうで、例年より早く梅雨入りするかも??と。この穏やかな春をもう少し満喫したいものですね。
さて、新年度から新たに導入した「ことばの学校」ですが、小学生に大人気!!今年は塾生の8割が受講しています。どの生徒も毎週、「次はどの本にしようかな〜」と、とても楽しそうに本棚を眺めています。
「ことばの学校」では、読書プラス語い力養成ワークを行いますが、読書だけでなく、このワークも大好評です。ワークでは、本のあらすじの音読、文中に出てくる言葉の意味の確認問題、登場人物に関する問題、漢字練習などさまざまな角度から1冊の本を『精読』させる内容となっています。普段なら嫌がる漢字練習もこのワークの演習をする時は、まるで別人のように丁寧に一文字ずつ書いています。一人また一人と変化する子どもたちを見て、この講座を導入して本当に良かったなと実感する日々です。
先日、姜尚中さんの『君につたえたいこと15歳の人生レッスン』という本を読みました。本の中に様々な作品の文章が引用されていて、自分も学生の頃に読んだ本がいくつか紹介されていて非常に懐かしく思いました。当時、それらの本を読んだ時にどんな風に思ったか?は忘れてしまいましたが、今でもそのフレーズを覚えているということは何らかのインパクトがあったのだと思います。
名作と言われ読み継がれている書籍には何かしらの『力』があると思います。親や先生といった身近にいる生身の大人から学ぶことと同じように、生身ではないけれでも本の中に出てくる登場人物たちから得ることも多くあるのではないでしょうか?また、本人を目にすることはできなくても「伝記」を通して、その人に触れる学ぶこともできます。世の中に起こる全てのことを実際に体験することは無理でも、本を通して様々な体験に触れることもできます。そうしたことが「本を読む」ことの一つの意味ではないでしょうか。
「ことばの学校」を受講している生徒の中には「読書好き」もたくさんいます。しかし、ほとんどの子が自分の好きなジャンルばかりを読んでいるようです。この講座では自分では興味がないような本も必ず読むシステムになっています。ですから、読んだ後に「つまらんかった」という子もいます。私はそうした「つまらない本」との出会いもその子にとって大きな意味があると思います。たとえつまらなくても、その本を通して様々な表現や言葉に触れる機会も得られます。自分にとって「つまらない世界」を知るということもできます。人との出会いに『無駄』がないのと同じように、本との出会いにも『無駄』はないと思います。
また、ワークをさせていると、「これぐらい知っているでしょう」と大人が思っている意外な言葉を知らないことが多々あります。先日も、『はなお(鼻緒)』『みじん切り』などを知らない子が結構いました。本を多く読んでいても実際にきちんと理解して読んでいないこともあるのでしょうね。子どもたちにとって本を『どう読むか?』ということはとても大切だと気づかされます。読書とワークをセットで行うことで1冊1冊が子どもたちにきちんと積み上げられていく様子が見られます。
これからもこの講座を通して子どもたちが自分の世界を広げ、更に一つでも多くの言葉を身に付けて行ってもらいたいと思います。