[2016年7月20日]
優等生の指導を専門とする中学受験専門塾へ平凡な子が通うとどうなるかご存知でしょうか。
子育てが初めての保護者はその実情を知らない人が多く、優等生専門の塾に平凡な子が殺到しているという現実があるのです。
大手塾は、生徒数の増加は大きな収益を生みますから、半ば「来るもの拒まず」的に平凡専用クラスを増設し需要に対応しています。ただし救いようのない一部の子には「入学許可」を出しません。授業の支障にしかならなず、手間ばかりがかかって利益を生まないからです。
しかし、進学実績につながらないけれど、平凡な子たちは授業料だけは一人前に支払ってくれるので、ありがたい存在として受け入れられます。
平凡専用クラスの中でも「選りすぐりの平凡」は、さらに系列の平凡専用個別指導教室(またはクラス)にも誘導され、さらに高額な授業料を追加で払わせられます。そして、蟻地獄のような受験生活を送ることになるのです。
優等生(クラス数:1〜2が多い) > 平凡(クラス数:2〜∞) ≧ 個別補習 > 入塾テスト不合格者
社会科学的には、保護者の情報不足というか認識不足は『情報の非対称性』の問題と言えるでしょう。優等生と同じ塾に通っていれば、同じように御三家や難関に合格できると幻想を抱いてしまうのです。
保護者や児童の淡い期待は、入試結果が発表されると、最終的に打ち砕かれます。
そんな保護者や児童へは、「合格できなかった人ほど、他では得られない貴重な経験をした」などの花向けの言葉が用意されていて、辛い思いをしながら授業料を運んだだけの日々を、あたかも美しい思い出であるかのように祝福され、お別れの日を迎えるのです。
中学生コースを持たない中学受験専門塾は、初めから不合格者の責任など取るつもりはないのです。