[2016年8月3日]
ある学校は「早弁」で有名であった。
3時限目と4時限目の10分休憩で、持参した弁当を食べてしまうというものだ。
「早弁」は不良がすることではなかった。むしろ難関大学を目指す生徒ほど早弁を愛好していたのだ。
1学年400人のうち300人が国公立大学に合格する進学校だったので、「早弁」しても教師に注意を受けることはなかった。授業中に「早弁」する強者もいた。教師に指されても、ちゃんと正解すればおとがめなしだ。
「早弁」にはメリットが多い。
?10分休憩で食事を済ませてしまうので、昼休憩を勉強時間に充てられる。
?育ち盛りなのですぐにお腹が空くが、空腹を我慢していたら授業に集中できない。
?空腹だと血糖値が下がり学習効率が低下するが、適度な血糖値を維持し続けられる。
医学部に進学する人も多く、そんな彼らも「早弁」組であった。
また、その学校は「早勉」でも有名であった。
とにかく宿題、課題、定期テスト対策、受験対策などの「勉強」は、さっさと済ませてしまう、というものだ。
ある教科で1限目に宿題が出たとしよう。家に帰ってから宿題に取り組むのではない。2時限目との休憩時間にはすでに取組開始しているというものだ。1限目の授業時間中に開始する強者も現れる。もちろん帰りのバスや電車の中なども勉強時間だ。帰宅するまでに宿題が終わっていれば、自宅学習時間は自主学習に充てることができる。
さらに凄い奴は、これから出されるであろう宿題を予想して先に解いてしまう。テスト問題も予想して事前に取り組む。経験を積むと「ヤマ」が当たるようになる。模試や本番で予想以上の結果を出せる。だから「早勉」がやめられない。いつの間にかドンドン勉強するようになっている。
「早勉」にもメリットが多い。
?学んだことを直ぐに演習して定着できる。
?予習をしっかりすることになるので、授業が理解しやすくなる。
?疲れが溜まる前に、最低限必要な勉強を終えられる。
?テストなどの直前になって焦らずに済み、無用なストレスを低減できる。
?締切前に時間不足になったり、やり残したりするリスクを低減できる。
「早弁」はともかく「早勉」はおススメである。
「早勉」の反対語は「遅勉」だ。
「遅勉」は勉強以外のことを先に終わらせてから勉強に取りかかるというものだ。誰にだって勉強以外にすることはたくさんあるから、「遅勉」は、勉強開始の先送りとなり、やり残し、時間切れにつながる。つまり、成績低下や不合格のリスクを増大させる。
「遅勉」は逃げの学習スタイルだ。成績不振者に典型的な『敗者の方程式』だ。
「早勉」は攻めの学習スタイルだ。難関に合格した先輩から受け継がれた『勝利の方程式』だ。
あなたも「早勉男子」、「早勉女子」になってみないか。希望者には「早勉」のノウハウを伝授しよう。