[2016年8月26日]
「先取学習」=「予習」と誤解する人が多い。「先取学習」≠「予習」だ。
「先取学習」=「予習+学習(授業)+復習」である。単なる「予習」とは全く違う。学校で行う「予習+授業+復習」のサイクルを、学校授業より先行して、プラス1回多く実施することである。
脳科学の分野では、かなり前から「記憶」のメカニズムについての研究が進んでいる。
「教室のご案内」にも書いたが、『忘却曲線』は有名だ。
学習への応用は諸説で微妙に違うが、「翌日」+「1週間後」+「1ヶ月後」に復習すると、記憶の定着率がスコブル良好だということが分かっている。これに「当日」と「数ヶ月後」を加えるとさらに効果が上がる。
『先取学習』は、この記憶のメカニズムと融合させることで、さらに威力を発揮する。
?予習:テキストの音読(数学を含む5教科全ての音読を推奨・1教科1日5分程度で出来る)
?授業:塾での学習
?復習?(当日):塾での確認テストと小テスト
ここまでが『先取学習』だ。
?復習?(翌日・1週間後):単語カード・用語ノート・解法ノートの作成と復習
?復習?(1ヶ月後):塾でのスパイラルテスト(定着テスト)
?復習?:(数月後)学校授業
?復習?:(数月後+アルファ)学校の宿題(ワークなどの提出物)
?復習?:(数ヶ月後+1ヵ月)解き直しノート(定期テスト・模擬試験対策の学習)
?復習?:(半年後など)3周目や単語カード・用語ノート・解法ノートの復習
?復習?:受験勉強
塾授業と学校授業の2回の授業でより理解が進んでいることが、記憶の効果をより向上させる。意味が分からないことを単純記憶するより、理解できていることを記憶する方が圧倒的に定着率が高いからだ。
実は数学も「暗記」が必要だ。
・公式の理解(公式が導かれる道筋)と暗記
・例題(典型的な解法パターン)の理解(公式の運用)と暗記
公式や解法パターンを暗記していないとテストで数学(算数)の問題は解けない。よって得意にはならない。
数学が苦手な人ほど、数学嫌いな人ほど、このことを知らないことが多い。
また、数学は1回の学習で完ぺきに理解して解けるようにならなければいけないと勘違いしている人があまりにも多い。
「数学が得意な人」でも、そんな神業はできない。
彼らは、1回目は理解できるとことまで理解して、気にせず次へ進む。少し間を開けて2周目や3周目を学習することによって理解を深めていくということを自然と行っている。3周もすれば、かなりの部分をスラスラ理解し解けるようになっている。もちろん4周以上勉強すれば尚よい。難易度の高い問題も解けるようになっていることだろう。
ここでも『先取学習』は威力を発揮する。『先取授業』+「学校授業」で自動的に2周する。3周目以降は、「定期テスト対策」、「実力テスト対策」、「受験対策」など、それぞれの学習スタイルやスケジュールに合わせて実施すれば良い。
定期テスト対策、実力テスト対策、模擬試験対策に対しても、塾での『先取学習』が、どれほど有効かわかるはずだ。もちろん、入試
での威力が絶大だ。
「学校授業」だけでは、いつまでたっても良い結果は得られない。いつも理解と記憶がしっかりできていない状態で本番がやってくることになるからだ。これは学年が上がるにつれ顕著になってくる。脱落者が増えていくのだ。
この程度の結果が己の精いっぱいの実力だと思い込み、ヤル気が失せていく。ドンドンできない子になってしまう。
『先取学習』がいかに効果的な学習法か理解できたであろうか。