[2016年8月27日]
入試国語を巡る勘違いが多い。
最も多く聞くのは次のような意見だ。
×:国語読解問題は感性やフィーリングで解けば正解できる。
感性やフィーリングで解くのは全く誤った方法だ。正答率が安定しないハズだし、成績も伸びないハズだ。国語の読解問題(入試問題)に真摯に向き合わなかった人の意見だ。
なぜか?
以前にも、国語の解法については度々書いているが、次のように解答を選ぶべきものだからだ。
説明的文章:論理的に考えて出題文から読み取れることのみから答えを選べ。
自分の意見を持ち込んではいけないし、原作者の意図も深読みしてはいけない。試験問題に載っている出題文から論理的に導き出せる解答を選ばなければならない。ただし、出題者の意図は考慮すべきだ。4択で2択まで絞れたのに、どうしても迷うような場合にも効果がある。学校が合格者を選ぶ試験であるからだ。
余談だが、4択問題の場合、2つの選択肢は明らかな不正解であることが多い。この2つは確実かつ速やかに見つけられなければならない。残り2つは正解以外はヒッカケだ。正解のように見えて、どこかに正解ではない部分がある。これを正確に見つけ出すことができるようになることが、読解問題の学習目標の一つだ。
文学的文章:学校教育の現場での常識、あるいは学校教育の現場で期待される内容から答えを選べ。
文章を味わってはいけないし、登場人物に感情移入してはならない。また原作者の意図や気持ちにも引きずられてはならない。学校や教師が望むような(正解と考える)答えを選び出さなければならない。説明的文章と同じく学校が合格者を選ぶ試験であるからだ。
だから、出題文の作者に解かせても正解できないということが起こり得る。
もし「あなたの意見を述べよ」という設問があっても、学校や教師が期待することを考えて意見を書かなければならない。
夏休みの読書感想文や自由作文のように好き勝手に書くと得点できない。蛇足だが、読書感想文や自由作文も、、学校や教師が期待することを考えて書いた方が評価が高くなるハズだ。
特に中学入試では、小学生なら当然身につけているだろうと教師が考える「道徳や倫理的に正しい考え」を前提に読解力や表現力を試される。もちろん、高校入試や大学入試では、この前提が中学入試とは違う。
入試国語では、「自由な」あるいは「クリエイティブな」読解力や表現力が試されているのではない。そのような解答には客観的な点数はつけられないからだ。それでは採点できず入試にならない。
解法の詳細はHPでは書ききれない。授業で個別に伝授することとして、今日はここまでとしよう。