[2016年9月1日]
学年1位は偏差値68、学年2位が偏差値63・・。
夏期講習中の、ある港区立中学校の中2生同士の会話の内容だ。
学年1位でも日比谷(71)には届かず、学年2位は三田(64)に届かない。
これが、学力上位層を中心に、約45%が私立中学へ抜けてしまった後の、港区立中学の現実だ。
「三田ぐらいに入ってくれれば」とよく聞くが、内申を聞いてみると平均で4に届かないことが多い。確実に合格を目指すなら、一般で「4.5」、推薦なら「ほぼ5.0」が必要だ。それでも不合格者が出ている。
「三田」の次は「雪谷」(55)か「広尾」(55)になるが、中学受験で上中位層がごっそり抜けた後だから、学年10位くらいに入っていないと現実味がない。
ちなみにこの港区立中学は、1学年約70名、2クラス編成だ。
学年15位が偏差値50、学年20位が偏差値45、学年35位が偏差値40だ。
定期テストでちょうど平均が偏差値40なのだ。平均点の位置が、世間一般より10ポイントくらい低い。
これが判断を誤らせる。定期テストで平均付近だから学力平均だと勘違いする。
内申がインフレ気味の女子は、さらに勘違いしやすいので注意が必要だ。「中の中」の学力なのに、「学力上位」と勘違いしている女子生徒や保護者が多い。
偏差値40の都立高校を例示しよう。都立を諦めて私立を検討したくなるだろう。
田柄(40)、葛西南(39)、南葛飾(38)
生徒数70人なら、都立進学校に進めるのは、学年トップ2〜3名だ。都立普通科に進みたいなら、少なくとも上位20名くらいに入るようにしたい。
都立進学校を志すなら学年トップを目指すべきだ。クラストップは死守したいところだ。
学年1桁(10位以内)、クラス5位以内というだけでは、進学校には進めないのだ。