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三田学院

[2016年10月21日]

部活は「放課後遊び」か?

・部活は「学童保育」か?

・部活と勉強は両立できるか?


このスタッフ日記で以前にも書いた。

今回は、部活は「放課後遊びか」?というお題で考えたい。

成績不振の人に、「部活が勉強の障害になっているなら、部活を辞めよう」と言うと、ほとんどの人が承服しない。すでに勉強よりも部活が優先の生活スタイルに陥っている証拠だ。部活を継続して勉強をしない理由ををあれこれと並べる。

部活に入る前に、部活に入れる前に、対応策をしっかり考えて、決め手おかないと手遅れになる。成績不振の生徒ほど部活をやめない、やめられないからだ。成績不振になった段階で、勉強に立ち向かう力も、勉強に立ち向かう意思も失せているからだ。勉強するフリしかできなくなっていることがほとんどだ。部活が勉強から逃げる最も有効な口実になっているのだ。部活をやめたら「ノー勉」の言い訳がなくなる。もはや放課後遊びでしかない。事件事故に巻き込まれたり、非行に走るよりマシというだけだ。

?部活は楽しいから。
?部活は達成感を味わえるから。
?部活は貴重な経験になるから。
?部活は社会性を養えるから。

?は論外だ。楽しいことを優先するなら明日はない。勉強から逃げているケースがほとんどだ。

?達成感を味わうなら部活である必然性はない。勉強でも達成感は味わえる。達成感ということだけなら、ゲームで高得点をあげても味わえるだろう。

?経験にはなるかもしれないが、貴重かどうかはわからない。部活強豪校のチームでないと大した経験にはならないであろう。進学校を目指して「帰宅部」や「週1日の部活」を選んだ生徒が、貴重な経験を積まずに育っているとは思えない。

?成績不振ということは、そもそも思考力や判断力が十分に育っていないということだから、いくら部活で社会性を養おうとしても限界がある。先に学力を磨いた方が賢明だろう。

「スポーツ」、「楽器演奏」、「料理」、「茶道」など、探せば専門教室もたくさんある。週末などを使って、勉強を犠牲にせずに続けることも可能なはずだ。

部活をしても勉強時間などに影響しないなら問題はない。しかし、ほとんどの場合、「勉強しない言い訳」や「勉強から逃げる口実」になっている。そこが問題なのだ。なぜ保護者は黙認するのだろうか?

主要教科の授業は、ほぼ毎日のようにある。毎日の予習や復習を疎かにして、十分な理解ができるはずがない。

これは高校生にも言える。進学校にめでたく合格しても、部活にのめり込んで、三流大学にしか合格できない人が多数いる。進学校の「進学実績」を見ればわかる。難関大学合格者数ばかり見ていても実態は把握できない。入学難易度が低い大学、社会的評価の低い大学への合格者や進学者がどれくらいいるかチェックしてみよう。

後になって正しい選択だったと自己評価できる自信があるなら続けても良いかもしれない。しかし、そんな自信など誰にもないだろう。

・成績が下がったら直ぐに辞めさせるという条件(約束)で入部させよう。

・成績が心配なら入部は見送ろう、見送らせよう。

・成績が不振ならサッサと辞めよう、辞めさせよう。


決してわが子の好き勝手にさせてはいけない。これは親の責任でもある。社会経験のない子供はまだ判断力が未熟だから、むしろ親の責任の方が重い

中学入学直後や高校入学直後の春は、監視の目を緩めてはいけない。「他の人も部活に入ったから自分も入る」などというのは、「多数派同調バイアス」という誤った判断の可能性がある。

担任などに勧めれても疑おう。担任や学校の都合や利益が目的かもしれない。受験に失敗しても責任は取ってくれないことを知っておこう。

学生の本分は学業である。部活ではない。主客逆転の判断をしてはいけない。