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三田学院

[2016年10月31日]

中学定期テスト「ごまかし勉強法」の功罪

公立中学に限らず、中学生以上になると定期テストがあります。

しかし、この定期テスト対策の勉強法を間違うと、学力がつかないということをごご存知ですか?

定期テストで高得点をあげる勉強法は大きく分けて2つあります。

?狭いテスト範囲を「実質丸暗記」する方法
?狭いテスト範囲を「しっかり理解」する方法

?と?どちらも高得点が狙えます。しかも?の方が楽に高得点を狙えます。

?の具体的な方法は、ワーク、配布プリントなどを何度も繰り返して学習し、実質的に「丸暗記」するまで勉強する方法です。巷には、この?の勉強法を主力とする学習塾さえあります。学校の教科書や教科書準拠の教材をメイン教材にしているような塾(いわゆる「補習塾」)です。比較的短期間に、そして比較的簡単に、定期テストの点数や順位があがることがあるため、本人はもちろん保護者も大喜びというものです。

しかし?の方法ですと、狭いテスト範囲では効果があったとしても、範囲の広いテストには対応できません。しっかり理解できていないまま、気がつかないうちに暗記に頼っている学習法だからです。

噛まずに呑み込む食事法に似ています。お腹は膨れますが、栄養の消化・吸収が悪いのです。

テスト範囲以外だと得点力が著しく低くなったりします。短期記憶に頼っているからです。しっかりとした理解が前提となる長期記憶である「真の学力」がついていない証拠です。

?は「ごまかし勉強法」とも呼ばれています。

内申素点が高いのに高校入試で失敗する人の典型的な勉強法です。

実力がないことに自覚のある人は、推薦入試を目指す人も多いですが、こうした人は高校入学後に落ちこぼれるリスクが高くなります。

「実力テスト」や「模擬試験」を受けると結果が思わしくないという場合は、「ごまかし勉強法」に頼った勉強をしている可能性が高いです。

これに対し、?の学習法を主力としている場合は、「実力テスト」や「模擬試験」にも対応できます。これは入試の本試験にも対応する力がついているということです。

?の勉強法を全面的に否定するつもりはありません。しかし、実は無駄の多い勉強法なのです。?の勉強法をしないでいると、入試突破力がつかないばかりか、高校以上で勉強がわからなくなるリスクが高まります。将来を見据えれば?を主軸とした勉強法がお勧めです。定期テスト前にだけ?も行うという勉強法がバランスが取れています。

「勉強」つまり「学ぶ」ということは「思考する」ということです。新しい学習範囲について「思考」して、文字・記号・図・表などがあらわしていることについて「思考」し、そこにある意味や規則を自分なりに見出し理解するということです。

機械的な「反復」や「暗記」は「正しい勉強」ではありません。すぐに忘れてしまいますし、理解できていないため、活用することができません。学力もつかなければ、思考力・分析力・判断力も育ちません

あなたの勉強スタイルは、「ごまかし勉強法」になっていませんか?

すぐに解き方や答えを教えてくれる塾(個別指導塾や家庭教師など)
→その場しのぎの勉強法です。理解しようとしないまま反復と暗記を繰り返し、「思考する力」が身につきません。学力がつきません。

高難易度の授業をハイスピードで行う塾(大手有名進学塾など)
→理解できていないまま先に進んでしまうので、答えや解き方を丸暗記するしかなくなってしまいます。これでは「思考する力」が身につきません。もともと高かった学力も低下します。

やたらと簡単な授業を展開する塾(大手有名駅前塾など)
→学力が並み以上のほとんどの児童生徒にとって、簡単すぎて「思考」する機会がありません。よって学力がつきません。これくらいの勉強で良いのだと勘違いし、成長機会を逃します。