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三田学院

[2016年11月21日]

閾値を超えよ!

閾値とは何か? 

境目となる値のことだ。分野によって「しきいち」あるいは「いきち」と呼ばれる。あるいは読まれる。

国語辞典による説明が簡単だ。

「反応を起こさせるために必要な最小のエネルギーの量または値」

抗生物質などは1日の摂取量と連続服用日数を守らないと効果が無い。これは勉強にも当てはまる。

明らかに成績アップするためには、最低限必要な勉強時間(エネルギー量)というものがある。

「1日当たりの勉強時間」「累積の勉強時間」だ。抗生物質の服用と同じだ。

「1日当たりの勉強時間」の『閾値』をt時間だとしよう。しかし、ある日1日だけt時間勉強してもほとんど何も変わらない。1週間くらい続けても僅かにしか変わらない。1ヵ月続けたら、いくらか変化はあるかもしれないが、まだ誤差の範囲を出ない。個人差はあるが、一般的な努力なら半年ほどの期間が必要だ。途中で「1日当たりの勉強時間」が『閾値』を下回る日があったりすると、半年過ぎても効果が出ない。また、途中で中断した期間があっても効果が出ない。本格的に勉強をし始めても、しばらくは「ほぼ横ばい」の状態が続く。このため効果が無かったと勘違いする人がいる。

また、断続的に勉強する時期とほぼノー勉を繰り返す人も効果が出ない。テスト前にならないと勉強しない人が該当する。勉強したのに成績が上がらないと感じてしまう。処方通りに薬を服用していないのだから仕方がない。

Q:なぜ成績が上がらないのか? 

累積の勉強時間数が『閾値』の累積T時間を超えるまで、反応は起こらないからだ。

1日当たりと累積の『閾値』を共に超えた場合に限り変化が起こる。『閾値』を超えるまで勉強した人だけが成績アップを手にすることができる。成績を大幅にアップさせた経験や実績がある人だけが知る『黄金律』だ。途中で中断した場合は累積にならない。始めからやり直しだ。継続が原則だ。

・ちょっと勉強しただけで成績を上げようなどと考えている人
・ちょっと勉強したらその分だけ成績が上がるなどと考えている人

いつまでも成績は上がらない。

この『閾値』を知らない人は、実は己の勉強時間不足が学業不振の原因なのに、学校、教師、塾などに責任転嫁したくなる。責任転嫁された人は迷惑極まりないが、当の本人こそ最も気の毒だ。

逆に、成績アップさせた人は、例外なく勉強時間が『閾値』を超えている。

・小学5年の夏頃から準備して定期テストで学年4位まで登り詰めた中学1年生
・小学5年の冬からの1年弱で偏差値を17ポイント上げた小学6年生

今も当教室で学んでいる実例だ。

・約9か月でほぼオール4(2教科が5)からほぼオール5(2教科が4)になった中学生

もう卒業した中学生の実例だ。

『黄金律』である勉強時間の『閾値』は学年によって大凡決まっている。内部生と保護者には伝えてある。実行した者だけが成績アップの悦びを味わえる。いつまでも実行できない者は、いつまでも横ばいのままだ。または勉強量が少なすぎると成績は低下する。

閾値を超えよ! 

これが成績アップの黄金律なのだ。