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三田学院

[2017年1月25日]

白鴎への道

都立一番目の公立中高一貫として広く知られている。中高一貫化後の1期生から、いきなり5人の東大合格者を出した「白鷗ショック」は、都立中高一貫人気に火をつけた。

中高一貫化から10年ほどは約10倍と言う高倍率が続いたが、ここにきて倍率は落ち着いてきている。他にも都立中全般に言えることだが、難易度の上昇が一番の原因だろう。

白鷗の入試難易度は、入試内容の違いから単純比較できないとしても、私立の難関校や中堅上位校と同水準以上になった。特に女子の難易度が高い。開校当時のように、私立中堅中位校にしか合格できない子でも白鷗なら合格できたという時代は、遠く昔に終焉している。しかし、いまだに開校当時の印象のまま受検させる保護者も多い。

「府立一女」の伝統が守られ生徒指導が行き届いている。都立なのにキリッとした印象に惚れ込む保護者や受検生も多いであろう。

さて本題である。適性?・?・?型の入試を行う都立中が多い中で、適性?・?型を堅持しているところに、白鷗の特徴がある。

適性?(作文)は、独自問題だが、共同問題と同様に課題文を課して読解力を確かめた上で、課題に対する意見形成と表現力が試される。オーソドックスな問題なので対策もしやすい。

適性?が課されないので、算数・理科を好まない受検生にとって、格好の志望校となる。しかし考えていることは、みんな同じで、当然の結果として国語力のある受検生が集まりやすい。適性?(作文)はハイレベルな闘いとなる。

比べて、適性?(算数・社会・理科)は過熱しない。すべての都立中の中で、合格者の得点率は低い方だ。

しかし、合否判定は総合得点で決まる。白鷗の合格判定の方法は以下の通りだ。

適性検査?:300点
適性検査?:400点
報告書:300点

報告書を含めバランスが取れた配点だ。報告書の点数は出願時点で決まっているので、本試験での適性?と適性?の合計点で合否が決まる。

昨年は適性?(共同問題)がやや難しく得点が低かったので、例年並みで合格ボーダーラインを予測すると、補欠繰上げを含め、適性?が60点、適性?が40点、合計で100点くらいになるだろう。

適性?では60点以上の獲得はかなり難しいので、50点目標で大問1・2・3を適切に時間配分し、「捨て問」をしてでも確実に50点以上を獲得するようにしたい。

適性?は、小問1・2あたりの読解問題約40点は確実にほぼ満点を取りたい。残る作文(小論文部分)で60%取れれば、適性?は70点を確保できる。適性?・?の合計で120点なら、合格発表当日に受検番号が表示されことは間違いないであろう。

適性?がない分、得点差が大きくなる適性?で十分に得点できないと敗北する。適性?は70点を目指したい。最後の1ヵ月は、最低毎日1本の適性作文を書いて塾の先生などに添削してもらおう。

ただ、直前対策では、作文に気を取られすぎないように注意したい。算数の割合・分数・あまりのある少数の割り算といった一行計算、図形、場合の数、条件整理は一問ずつ毎日解こう。疲れたときは実験・観察の復習をしよう。社会の暗記物に取り組む必要はない。資料の読取りで計算を間違えないようにしよう。