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三田学院

[2017年2月7日]

贈る言葉 「やり切れ」

教室を巣立っていく生徒たちに贈りたい言葉がある。

これからも、「やり切れ!」

その一言だ。

入試に向けて、進級に向けて、定期テストに向けて指導を受けてきた生徒たち、いや指導に真摯に向きあってきた生徒たちは、説明しなくても何を伝えようとしていることが分かるだろう。別の言葉で何度も指導してきていることだからだ。

指導上の経験から、試験などで満足のいく結果が出せる生徒とというのは、「指導に従って、やるべきことを、期日までに、しっかりと、やり抜いた生徒」に限られる。

しかし、「やり切る」ことが大切なのは勉強や学生生活に限ったことではない。社会に出た後でこそ、その意味することが生きてくる。

「やり切らない」人。例えば、販売業の人で販売目標を達成しない人、製造業で納期を守らない人、研究開発の人で期日までに実験結果をまとめない人は、その道で成功することはない。

やるべきコトを「やり切る」。学生であろうと、社会人であろうと、これが大切だ。だから、これからも「やり切って」ほしい。

些細なことはどうでもよい。「やり切った」ことこそ、あなたを成功に導き、成長させる。

・指導に従わず、学業よりも習い事を優先する生徒(それを推進する家庭)。
・指導に従わず、学業よりも部活動、生徒会活動、委員会活動を優先する生徒(それを推進する家庭)。
・指導に従わず、学業よりも友だちづきあいを優先する生徒(それを許す家庭)。
・指導に従わず、学業よりも行事や行楽を優先する生徒(それをよしとする家庭)。
・指導に従わず、学業よりも家族団らんを優先する生徒(その家庭)。

失敗する姿を多数見てきた。失敗させないように、時には厳しい口調で何度も指導してきた。保護者にも説いてきた。

保護者が理解できないというなら、そもそも論外だ。保護者が理解できても、子供を説得できないというなら、すでに子育てに失敗しているか、だらしない保護者の姿が見透かされているか、どちらかの可能性が高い。

「やり切ったか?」

この言葉に「はい」と濁(にご)りのない返事ができる人には、良い結果が待ち受けている蓋然性が高い。

「はい」と答えられない人には、残念な結果が待ち受けていることがほとんどだ。

シンプルな話だ。

・課題を提出しないか遅れる生徒。
・試験範囲を試験前に終えない生徒。
・模擬試験をスキップする生徒。
・過去問を適切な時期に解き始めない生徒。

もっとわかり易く言えば、合格するために、「ココまでやれ」と言っているのに、入試日までにやりきらないで残してしまう生徒。この状態で入試に臨んで良い結果がでるはずがない。

Q:どうして合格できたと思う? → A:「やり切った」からでしょ。

Q:どうして合格できなかった(不合格になった)と思う? → A:「やり切らなかった」からでしょ。


自分の胸に手を当てて、素直に、正直に、客観的に自己評価し、もし「やり切らなかった」と反省するなら、せめて、これからは「やり切って」くれ。「やり切った」と胸を張って言えるなら、これからも忘れずに継続してほしい。

輝かしい明日になるように、「やり切れ」

これが、私からの「贈る言葉」だ。